Aさん
Bさん
どうにも疲れてしまって仕事を辞めたいと思うことは誰しもあるはずです。しかし疲れたと理由で仕事を辞めると「甘え」「無責任」と思われるのでは、と辞めるのをためらっている人も少なくないのではないでしょうか。
疲れて無理に仕事を続けると人生に関わる様々なリスクがあります。この記事では仕事を辞めたい・疲れたという人のために原因や対処法を解説していきます。
「仕事辞めたい・・・疲れた」は心と体の危険信号
疲れて仕事を辞めたくなることは誰にもあるはずです。誰でもあることだからこそ「仕事で疲れたぐらいで会社を辞めるべきではない」と考えられることが多いでしょう。
しかし「疲れた」と感じることは心と体からの危険信号なのです。気にも留めていないような症状が、重要なサインの可能性もあります。
- 朝、気持ちよく起きれない
- 肩こりや背中、腰が痛くなる
- 些細なことでイライラする
- 急に苦しくなったり、動悸がする
- 気分が沈みがち
- 食欲がない
- 吐き気がする
- 眠れない
- 仕事に集中できない、ミスが増える
このようなことが続いているならば、放っておかずに早めの対処が必要です。
仕事に疲れを感じて辞めたいと思いやすい人の特徴
仕事に対する疲れを感じた末に「もう辞めたい」と考える人の中には、ある共通の特徴にあてはまる人が少なくありません。
ここでは、仕事に疲れを感じて辞めたいと思いやすい人の特徴について解説します。
- 自己主張が弱く周りに流されやすい
- 常にネガティブに考える癖がある
- 頼まれたことは何でも引き受けてしまう
自己主張が弱く周りに流されやすい
自己主張が得意ではなく、自分の意見を伝えられない人や、周りの意見に流されがちな人は、他の人に比べて仕事に疲れを感じやすいようです。
例えば、本来自分の担当ではない仕事を断れなかったり、本当は行きたくない飲み会などに周囲に流されて参加してしまったりすることなどが該当します。
「自分の仕事ではないのに」、「本当は嫌なのに」と感じながら過ごすことは、普段の仕事やコミュニケーション以上に負担やストレスがかかり、辞めたいという気持ちに繋がりやすいでしょう。
常にネガティブに考える癖がある
常にマイナス思考な人や、何事もネガティブに捉えてしまう人も、仕事に疲れを感じ辞めたくなりやすい傾向にあります。
仕事のミス1つでも、「次から気を付ければいい」と考える人と「自分は仕事ができない」と悩んでしまう人では、感じるストレスの度合いは大きく異なります。常にマイナス方向に考える傾向が強い人は、このストレスがどんどん積み重なってしまいやすいのです。
ネガティブ思考によって本来は不要なストレスまでため込むことは、疲れが溜まるだけでなく仕事への自信や意欲を失い、辞めたいと悩むきっかけになってしまいます。
頼まれたことは何でも引き受けてしまう
「他の人から何かを頼まれた時に、断らずに何でも引き受けてしまう」のも、疲れや辞めたいという思いを抱きがちな特徴の1つです。引き受けた仕事や頼まれごとによって負担が増え、心身の疲労が蓄積しやすくなってしまうためです。
引き受けた理由が善意であれ、「断れない」、「断ったら申し訳ない」という理由であれ、本来の自分の仕事に加えて頼まれたことも処理しなければならないのでは、他の人よりも負担が大きくなるのは当然です。
その結果、「疲れたから仕事を辞めたい」と思ってしまうのです。
「仕事辞めたい・・・疲れた」と感じる原因5つ
そもそも仕事を辞めたいほど疲れた原因は何なのでしょうか?よくある4つの原因を紹介します。
- 職場での人間関係
- 仕事がキツ過ぎ
- 将来の不安
- 嫌な仕事を我慢してこなすこと
- 金銭面での余裕がなく疲れたと感じる
原因①職場での人間関係に疲れた
職場での人間関係はプライベートと違い選ぶことができません。「この人苦手だな」と感じても、スムーズに業務を進めるには関わらないわけにはいかないのです。
さらに苦手な人でもたまに会うのならその時だけ我慢すれば済みますが、職場は長時間それも毎日一緒に過ごす必要があります。
また職場に苦手な人が1人2人であれば、多少の我慢もできるでしょう。しかし職場全体の雰囲気が殺伐としていたり、パワハラが横行していたりすると毎日気を使うことになってツラいはずです。
原因②仕事がキツ過ぎて疲れた
業務内容や業務量が自分の能力を超えてしまうと、どんなに好きな仕事をしていたとしても疲れてしまいます。
また業務量が多いと仕事に縛られる時間も多くなってしまい、疲れを取る時間もありません。どんどん疲れが溜まっていくと心身に限界がきて、仕事を辞めたくなるでしょう。
原因③将来の不安を感じる
Aさん
Bさん
会社の経営難や業界の低迷などで将来に不安を感じながら働き続けると、疲れてしまいます。特にリストラや給与カットなど働く社員の目に見える形で経営難の影響があらわれると、働くモチベーションも下がっていくでしょう。
会社の経営難や業界の低迷は、一時期のものなのかどうか見極めることが大切です。もしかするとこの苦しい局面を切り抜ければ、業績が伸びる可能性もあります。
原因④嫌な仕事を我慢してこなすことに疲れた
向いていない仕事を続けていると、どんなに職場の人間関係がうまくいっていても疲れてしまいます。自分に仕事が合っていないと周りの人に比べて結果を出せず、会社からも評価されにくいでしょう。「頑張っているのに成果が出ない」とストレスが溜まり、会社を辞めたくなるはずです。
また好きな仕事でも、会社と自分の方向性合わないときは注意が必要です。方向性が違うということは自分の信念を曲げなくて従わなくてはならない場面も多くなり、仕事自体がストレスになる可能性もあります。
原因⑤金銭面での余裕がなく疲れたと感じる
金銭面での余裕の無さも、心身の疲労に影響を及ぼす可能性があります。
例えば、給与が低く生活に余裕がない場合は、生活費の切り詰めによる食生活の乱れといった身体的負担や、節約しなければという意識による心理的負担に繋がりかねません。また、給与と仕事量のバランスが悪い場合、「仕事と給与が釣り合わない」という不満を抱く原因にもなります。
これらの理由から、金銭面の不安や不満、余裕のなさは疲労や仕事への意欲の低下のきっかけになり得るのです。
「仕事辞めたい・・・疲れた」と感じたまま働き続ける3つのリスク
Aさん
Bさん
真面目な性格や責任感からこのように思っている人も多いです。しかし疲れた状態を無視して働き続けると様々なリスクがあります。
- 仕事での失敗が増える
- 適切な判断ができなくなる
- 精神疾患になる可能性がある
リスク①仕事での失敗が増える
「業務内容が自分に合わない」「仕事にやりがいがない」「業務量が多い」という状態だと、仕事で慢性的に疲労がたまっていきます。疲労が溜まると集中力が散漫になり、仕事のミスが増えていくはずです。誤字脱字や計算ミス、納期の間違いや忘れといったケアレスミスが明らかに増えていきます。
さらにミスしないように気を付けることによって余計に疲労が溜まっていきミスを繰り返すことになります。疲労→ミス→疲労→ミス…といった悪循環にはまることによって、取り返しのつかない失敗を引き起こす可能性もあるでしょう。
リスク②適切な判断ができなくなる
仕事のミスにもいえることですが、仕事の疲れは脳も疲れさせ適切な判断がしにくくなります。遅刻や欠勤、無断欠勤をしたり、暴言を吐いたり、暴力的になったり、といった普段の様子から考えられないことをしてしまいます。また職場でもうろうろしたり、しょっちゅう席を離れたりと落ち着きのない行動をするようになります。
適切な判断ができない状況だと「してはいけない」という判断も鈍っているはずです。このような症状は自覚できにくいので、とても危険な状態だといえるでしょう。
リスク③精神疾患になる可能性がある
疲れすぎて無理に働き続けると、「適応障害」「うつ病」などの精神疾患になる可能性があります。
- 眠れない
- 食欲・体重の変化
- 憂うつな気持ちになる
- 落ち着かない、不安になる
- 家に籠りがちになる
適応障害やうつ病は放っておくとそれよりも重たい症状になることもあるため、心体からの危険信号を見逃してはいけません。
仕事辞めたい・疲れたときに実践したい対処方法
仕事が辞めたいほど疲れた人が会社を辞める前に実践してほしい対処法があります。
- 趣味でリフレッシュする
- 有給などでまとまった休みを取る
- 思い切って休む
- 上司や家族に相談する
- 環境を変えてみる
気分を切り替えることやゆっくり休暇をとることで、退職を回避できる場合もあるはずです。
対処方法①趣味でリフレッシュする
家でゆっくりすることがリフレッシュ方法という人もいるはずです。しかし休日に特にすることがなくなんとなく過ごしているという場合は、休日の趣味を充実させてみましょう。
趣味を充実させると頭の中が仕事と離れることができ、疲れを取るきっかけになります。
対処方法②有給などでまとまった休みを取る
1日だけではなく、有給で少しまとまった休みを取るのも対処法の一つです。「うちに有給はない」という会社もあるかもしれませんが、有給は「労働者の権利」と労働基準法で定められています。つまり労働者が有給取得することを会社は拒むことはできません。
有給休暇は入社してから6カ月以上経過しその8割以上出勤していた場合、雇用形態に関係なく10日間の有給休暇が付与されます。
年次有給休暇の付与日数(フルタイム) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
勤続年数 | 6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月 |
付与日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
なかには「何日も休暇を取ると職場に迷惑がかかる」と考える人もいるでしょう。しかし疲れが溜まりミスを連発する状態で働くほうが、職場に迷惑がかかってしまいます。
それに有給休暇を取るときは、休暇前に同僚にしっかりと引き継ぎをしておけば業務に問題はありません。また引き継ぎをしておくことによって休暇中に仕事のことで連絡がくることを防げるため、しっかり疲れを取ることができるはずです。
対処方法③思い切って休む
3・4日程度の連休では疲れがとれない場合、すでに精神疾患になっていることが考えられます。このようなときは、心療内科を受診しましょう。医療機関で「〇ヶ月の休養を要する」といった診断書を作成してもらえれば、長期間の休職が可能です。
休職は法律で決まっているわけではありませんが、会社ごとに独自に「休職制度」を定めている場合がほとんどです。
大企業 | 中小企業 | |
---|---|---|
休職期間 | 1年以上~数年 | 数カ月~1年程度
(勤続年数が短い場合は適用除外となることもある) |
休職理由 | 病気やけがに加え、留学など | 病気やケガに限る |
休職期間の賃金 | 休職理由によって賃金が支給される場合がある | 基本的に無給 |
休職期間の間は無給の可能性が高いですが、社会保険で傷病手当金受給の申請も可能ですので安心して休職しましょう。
傷病手当金は、被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。
※ ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。
対処方法④上司や家族に相談する
上司や家族など、身近にいる信頼できる相手に現在の状況や悩みを相談することも、有効な対処法の1つです。
自分ひとりで悩み続けていると、どうしても解決方法が見つからなかったり、極端な思考に偏ってしまいがちです。信頼できる人に相談することで、冷静な第三者の視点からアドバイスをもらい悩みを見つめ直すことができます。自分では思いつかなかった解決方法や助言をもらうこともできるでしょう。
また、もし具体的な解決方法が見つからなくても、誰かに気持ちや悩みを吐き出すことで心が楽になることもあります。
対処方法⑤環境を変えてみる
これまで紹介した対処法を試しても、現在の職場や仕事のことを考えるとやはり辞めたい、と感じるならば、思い切って環境を変えてしまうのも手段の1つです。
例えば、異動願いを出して現在とは違う部署で別の仕事をするのも良いですし、会社そのものが嫌だと感じているならば転職活動を検討するのも良いでしょう。
環境を変えて心機一転し仕事に取り組むことで、仕事を辞めたくなる原因や悩みが解消される可能性もあります。
【年齢別】仕事辞めたい・疲れた時の原因と対処方法
疲れた、仕事を辞めたいと感じる原因は、実は年齢によって少しずつ異なるのをご存知ですか?原因が違うのと同様に、試みるべき対処法も年齢によって異なる場合があります。
ここでは、20〜50代の年齢別に、仕事を辞めたい、もしくは疲れたと感じる時の原因・対処法を紹介します。
仕事辞めたい疲れた20代の原因と対処方法
20代が仕事に疲れを感じたり辞めたいと思うのは、人によっても異なりますが主につぎの4つが原因となりやすいようです。
- 仕事にやりがいを感じない
- ハードワークで疲れてしまう
- 給与と仕事内容が釣り合わない
- 将来への不安
これらの理由に該当する場合、まずは仕事を休んで疲れを取ってから、どうして仕事にやりがいを感じないのか、そしてなぜ辞めたいのかを考えてみることが大切です。
その上で別のやりたい事が見つかった場合や、どうしても辞めたいのであれば、会社や上司に相談した上で退職を検討するという対処法もあります。
仕事辞めたい疲れた30代の原因と対処方法
30代の場合、仕事に疲れを感じる、辞めたいと感じる原因はつぎの5つが挙げられます。
- 仕事の責任に見合った昇給や昇格ができない
- 新卒や20代の頃と比べて仕事に意欲が湧かない
- 体力的に仕事が辛い
- 仕事と家事の両立が困難
- 他にやりたいことや目標が見つかった
昇給や昇格ができない、意欲の低下が悩みであれば、スキルアップによって仕事の評価を受け昇給や昇格を目指すと良いでしょう。
また、年齢や体力などの理由で現在の業務を続けにくい場合は、異動願いによって別の環境に移る方法もあります。他にやりたいことがあったり、会社自体に原因があるならば、退職や転職を選ぶのも対処法の1つです。
仕事辞めたい疲れた40代の原因と対処方法
40代では、2〜30代の原因に加えてつぎの3つが原因となり得ます。
- 同じ場所で長く働き続け意欲が低下したため
- 働き方に疑問を抱いたため
- 働くこと自体に疲れてしまった
40代の仕事の疲れや辞めたい気持ちへの対処は、まず休み疲労を回復させること、そして仕事や会社に問題がある場合は転職を検討することの2つが挙げられます。
ただし、退職や転職を選ぶ際は、しっかりと深い自己分析を経て転職活動に臨むことが大切です。40代の転職は、他の年代に比べてこれまでのスキルや経験が重視されます。自己分析を行うことで、アピールすべき強みが見つかりやすくなるでしょう。
仕事辞めたい疲れた50代の原因と対処方法
40代にも一部当てはまりますが、50代では体力的な問題で仕事の負担が大きくなること、勤続年数の長さから仕事に対して意欲が下がってしまうことが疲れの原因となります。
また、親の介護などが始まる年齢でもあるため、仕事と家事の両立という面でも心身ともに負担や疲労を感じてしまうことも少なくありません。
対処法は、適宜休みを取るなどしてこまめに疲労を回復すること、仕事と家事や体力の両立が難しい場合は、両立可能な業務や部署への異動を検討することです。
転職も不可能ではありませんが、50代は他の年齢と比べると決して転職しやすい年齢とは言い切れないため、きちんと対策を練ったうえで臨むことが重要となります。
「仕事辞めたい・・・疲れた」が解消しないなら計画的に退職しよう
有給休暇や休職をしても「仕事辞めたい・・・疲れた」の気持ちが消えない場合は、計画的に退職しましょう。
- 退職の理由を明確化する
- 退職意向を伝える
- 退職届の提出
- 業務の引継ぎをする
退職して気持ちよく新しい一歩を踏み出すためにも、円満退職を心がけるべきです。
退職の理由を明確化する
計画的な退職するためにまず大切なことは、退職理由の明確化です。「人間関係」「将来への不安」「業務が合わない」など辞めたい理由は人によって違います。漠然とした理由だけではなく、仕事を辞めたい理由の「ナゼ」を突き詰めてみましょう。
例えば、「仕事がキツくて疲れた」場合でも、業務量が多いのか、仕事が合ってないのか、職場の人間関係が悪くて業務が進みにくいのかによって解決方法が違います。
業務量が多いようならば、退職を切り出す前に上司に相談してみてもいいでしょう。仕事が合っていないなら、転職の際に同じ職種や業界を避けるべきです。また人間関係が問題ならば、自分に雰囲気の合う職場に異動・転職できれば問題が解決します。
同じ「仕事がキツくて疲れた」でも理由は様々です。理由を明確にしておかないと、いざ転職したとしてもまた同じ悩みを繰り返すかもしれません。
退職意向を伝える
退職の理由を明確にできたら、上司に退職の意志を伝えます。退職の意志は、相談ではなく報告するつもりで伝えましょう。相談をしてしまうと「辞めてもらっては困る」などしつこい引き止めにあう可能性があります。スムーズに辞めるためにも「退職ありき」で話すことが重要です。
また本来退職の理由は「一身上の都合」で問題ないのですが、会社によっては理由を詳しく聞いてくる場合もあります。会社側に退職の理由を伝えるときは「転職する」「やりたいことが見つかった」など、なるべく前向きな理由を伝えるようにしましょう。
本当の理由は「職場の人間関係がツライ」だとしても、わざわざネガティブな理由を伝える必要はありません。ネガティブな理由を伝えると悪い印象を与えてしまい、上司との関係が悪くなる可能性もあります。
退職届の提出
退職日が決まったら退職届を提出します。退職届には「〇月〇日退職します」と明記されているので、受け取ってもらうことで退職を認めてもらっているという証明になる書類です。
会社によっては退職届が必要ない場合もありますが、必要なくても自分を守るために提出しておきましょう。
- 退職理由…「一身上の都合」
- 退職日…上司との話し合いで決めた日付
- 届出年月日…提出する日付
- 所属部署、氏名…所属と名前を記入し、名前の下に捺印する
- 宛名…代表取締役社長など最高執行責任者の役職と名前
業務の引継ぎをする
次に業務の引き継ぎをします。
【引き継ぎのフロー】
業務のリストアップ 自分がこれまで担当していた業務をリストアップし、今後それぞれの業務を「どれを」「いつまでに」「誰に」引き継ぐべきか上司と相談します。
【引き継ぎ資料の作成】
自分の業務の流れを書面にします。1日、1か月、1年の基本的な流れや案件別、顧客別などまとめられていると、円滑に引き継ぎが進められます。すでにマニュアルや手順書がある場合は、変更のある箇所は内容を更新しましょう。
【業務の説明】
引き継ぎ資料を使って、後任に業務内容を説明していきます。
【取引先に新しい担当者を紹介する】
必要があれば自分が担当していた顧客や取引先に新担当者と出向いて挨拶をします。サービス業や営業職などでは欠かせない引き継ぎです。
もし退職までに後任が決まっていない場合や退職までの日数が短い場合は、「いつ」「誰が」見てもわかるよう引き継ぎ書を作成しておきましょう。
自分で退職が難しいときは退職代行を利用しましょう
Aさん
Bさん
このようなときは退職代行を利用して退職しましょう。退職代行は依頼主に代わって退職の意志を伝えるサービスのことです。
「退職代行って違法じゃないの?」と思われる人もいるかと思いますが、法律では「退職は本人が上司に対面で伝えなくてはいけない」と定められていません。つまり極端に言えば、メールやLINEで伝えても問題ないということになります。
- 上司に直接会わずに退職できる
- 即日退職にも対応している
- 未払い残業代などの交渉をしてくれる
退職代行に依頼すれば、直接上司と連絡取ることなくスムーズに退職が可能です。さらに自分では言い出しにくい有給や未払い残業代の交渉もしてくれるので、自分の希望通りの退職ができます。
ただし退職代行業者の中には退職に関する交渉ができない「非弁業者」が存在します。もし退職に関する交渉が必要な場合は、非弁業者ではない「弁護士」か「労働組合」が運営元の退職代行業者に依頼するようにしましょう。
運営元 | 退職に関する交渉 |
---|---|
弁護士 | できる |
労働組合 | できる |
民間企業 | できない |
疲れを感じて仕事を辞める際に気をつけるべきポイント
疲れを感じながら無理矢理仕事を続けることは、心身にとってあまり良いとはいえません。そのため、限界を迎え体調不良や精神的な不調を起こしてしまう前に、退職を検討することも大切です。
ここでは、疲れを感じて退職を選ぶ際に気をつけるべきポイントを紹介します。
- 周りの人のせいにしない
- 引き止められても退職の意志をしっかりと伝える
- 会社の繁忙期は避けて退職する
周りの人のせいにしない
職場に問題があり退職を選んだとしても、辞める理由を周りの人のせいにしないように注意しましょう。
人間関係の問題が辞める原因であったとしても、それを正直に退職理由や態度で示すと職場の人の印象は良くありません。後のトラブルに繋がらないようにするためにも、どんな理由であれ可能な限り円満退職を目指すべきです。
また、人間関係のトラブルの原因を全て周りの人のせいと決めつけてしまうことは、他の職場で同じトラブルが起こった時にまた同じ退職を繰り返してしまう原因になりかねません。
引き止められても退職の意志をしっかりと伝える
退職すると伝える際、辞めないで欲しいと引き止めに合う場合があります。引継ぎなどの特別な事情が無い限り、例え引き止められたとしてもしっかりと退職の意志を伝えるよう心がけましょう。
特に、仕事が原因で心身に不調が出ている場合、引き止めに応じてしまうとさらに体調が悪化する恐れがあります。既に転職活動を始めている場合などは、面接などの活動スケジュールにも影響しかねません。
そのため、会社には辞める理由や時期と合わせてしっかりと意志を伝えるべきです。
会社の繁忙期は避けて退職する
会社を辞める時期は、可能な限り「繁忙期」は避けるようにしましょう。
人手が必要な時期の退職は、退職時期を延ばすよう言われたり、引き止められやすくなったりする可能性があります。仮に辞められたとしても、忙しい時期の退職は職場の他の人たちから心象が悪くなってしまう恐れもあるでしょう。
たとえ辞めるとはいえ、これまでお世話になった会社であることは変わりません。そのため、会社に問題が無い場合は、できるだけ円満かつ迷惑をかけない方法や時期に辞めるのがおすすめです。
「仕事を辞めたい…疲れた」は悪くない!原因と対処法を徹底解説まとめ
「仕事を辞めたい」と思うことは誰しもあることでしょう。しかし「疲れた」「しんどい」が慢性的に続くのは体と心からの危険信号です。無視して働き続けるのは適切な判断ができなくなったり、精神疾患になったりという大きなリスクを伴います。
疲れたときは無理しすぎずに、有給や休職制度などを使って一度会社から離れてみましょう。ストレスから解放されて「また頑張ろう」という気が湧いてくるかもしれません。
それでももし疲れている状態が続くのであれば退職を検討しましょう。仕事だけが人生ではないですし、働ける会社は今の会社だけではありません。体と心からのサインを見逃さず自分を大切にしてあげてください。