会社に行かずに退職を伝える方法でます「電話」が思い浮かぶ人も多いでしょう。しかし電話で退職を伝えて、受け入れてもらうことはできるのでしょうか?
しかも辞めたい日当日の朝となると、ますますハードルは上がりますよね。
今回は仕事を辞める電話を朝にした場合どうなるのか、電話のコツや注意点などを詳しく解説していきます。
- 退職を伝える手段に法律的な制限はないので電話でもOK
- 電話で伝えるなら始業前30分を狙おう
- 退職を伝えたからと言って着信拒否にするのは絶対NG
- 仕事を辞める電話をするのが怖い人は、退職代行を使おう!
結論:朝に仕事を辞める電話をして退職することは可能
先に結論ですが、朝に仕事を辞める電話をしてすぐに退職することは可能です。というのも退職に関して、法律では以下のように定められているからです。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。(民法第628条)
引用元:e-Gov法令 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
法律によると「やむを得ない事由」がある場合、すぐに退職することができます。
やむを得ない事由とは、「体調不良で働き続けることが難しい」「会社でパワハラなどのハラスメントを受けている」「会社が法律違反をしている」「入社前の説明と実際の働く条件が違う」などのことです。
法律上も退職を伝える手段に決まりはない
「退職を伝えるときは直属の上司に直接伝える」と、認識している人は多いのではないでしょうか。実は「直属の上司に直接伝える」というのは社会人のマナーであって、法律で定められていることではないです。
そもそも法律では、退職を伝える手段について特定の定めはありません。つまり直接伝えることはもちろん、電話やメール、手紙で伝えてもいいということになります。
ただしやはり退職を直属の上司に直接伝えることは、社会人のマナーです。それ以外の手段で伝えた場合、円満退職は難しいと理解しておきましょう。
仕事を辞める電話を朝する際の伝え方
仕事を辞めることを朝という限られた時間に確実に電話で伝えるには、大きく2つのポイントがあります。
- 電話するタイミングは始業前にする
- 電話する人は直属の上司にする
伝え方を間違ってしまうと退職をうまく伝えられなかったり、トラブルになって会社を辞められなくなったりするかもしれません。
仕事を辞める電話を朝する際の伝え方をしっかり理解して、一度の電話で確実に退職できるようにしましょう。
電話するタイミングは始業前にする
まず大切なのは、電話をするタイミングです。
オイトマスタッフ
電話をするベストなタイミングは始業前30分です。
- 始業前30分・・・仕事の準備のために出社している人が多い。比較的落ち着いている時間
- 始業前30分より早い時間・・・ほとんど人が出社していないので、電話を取ってもらえない
- 始業後の午前中・・・仕事が始まって忙しい
始業前のあまりに早い時間だと、出社している人は少ないです。仮に電話をしても、留守電に繋がってしまう可能性もあります。
反対に始業後の午前中は会議や打ち合わせで忙しく、上司が席をはずしていることも多いでしょう。特に休み明けの午前中はバタバタしているので、注意する必要があります。
退職を伝える電話を朝する際は、比較的落ち着いている始業前30分がおすすめです。
電話する人は直属の上司にする
口頭で伝えるときと同じように、退職を電話で伝えるときも伝える相手は「直属の上司」です。いきなり人事部や他の上司に電話で伝えると、直属の上司の管理能力が問われる可能性があります。
お世話になった上司に迷惑をかけないためにも、上司を飛び越えて退職を伝えるのは控えましょう。
ただし「上司にパワハラを受けている」「職場いじめに遭っているのに無視されている」といった場合には、人事部に直接訴えるのもアリです。
また電話は自分が所属している部署にかけたとしても、最初に上司が出てくることはほぼありません。だからといって、他の人に伝言を頼んだり留守番電話に用件を吹き込んだりするのはやめましょう。
この方法だと伝言によって上司に「会社を辞めたいこと」は伝わりますが、合意を得られていません。そのため結局上司から電話がかかってきたり出社を求められたりするなど、トラブルになって退職にかえって時間がかかってしまいます。
仕事を辞める連絡を電話でする時の言い方【例文付き】
ここまで退職を電話で朝に伝える際のタイミングや伝える相手についてご説明してまいりましたが、具体的にはどのような言い方をすればいいのでしょうか。
ここでは、「一般的な言い方」「体調不良」「入社して3日以内」の3つのケース別の言い方をご紹介します。
退職を伝えるのはどのような状況であっても、勇気が必要です。朝に電話で伝えるのなら、なおのことでしょう。
電話をかける前には、例文を参考にしながら言いたいことをメモにまとめてみてください。上司と落ち着いて電話で話せるはずです。
仕事を辞めると電話で伝える際の一般的な言い方
仕事を辞める時の退職理由は、本来「一身上の都合」でいいことをご存じでしょうか。退職理由は個人情報に触れるため、詳細に伝える必要はありません。
というのも一身上の都合とは、「業務とは関係ない個人的な事情」という意味だからです。もっとも一般的な退職を電話で伝える例文は以下のようになります。
お疲れ様です。○○です。お忙しいところ恐れ入ります。急なご連絡で申し訳ありませんが、
一身上の都合により退職したいと考えております。
本来出社してお伝えすべきところお電話でのご報告となり、大変申し訳ございません。
退職したい理由がパワハラなどのハラスメントや職場の人間関係での悩みの場合、素直に伝えてしまっていいものか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
パワハラのような理由を率直に伝えると、トラブルに発展することもあります。また上司が加害者だった場合、怖くて伝えることなんてできないですよね。
一身上の都合であれば「業務とは関係ない個人的な理由」だと暗に伝えていることになるので、余計なトラブルを抱えずに退職できるはずです。
体調不良を理由に仕事を辞めると電話で伝える際の言い方
体調不良が理由なのであれば、そのまま率直に伝えたほうが退職しやすくなります。病院の受診結果や症状なども伝えて、働き続けるのが難しいことを説明しましょう。
お疲れ様です。○○です。お忙しいところ恐れ入ります。急な連絡で申し訳ありません。
近頃体調が優れず病院を受診したところ、○○だと診断されました。長期的な治療が必要で、早期回復は難しく、医師から退職を勧められまして、自分も今後のためにも退職したほうがよいと判断しました。
本来出社してお伝えすべきところですが体調不良のため出社できず、お電話でのご報告となり大変申し訳ございません。
もし退職を伝える以前から欠勤が続いているようであれば、あわせて休みをもらっていたことに対するお詫びや感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
入社3日以内で仕事を辞めると電話で伝える際の言い方
入社してみると、想像と違って違和感を覚えることもあるはずです。それでも「もう少し頑張ったほうがいいかな?」と退職をためらう人も多いでしょう。
しかしその直感は意外と当たっています。なぜなら入社したばかりの頃はまだ会社に染まっておらず、フラットな視点で会社の空気や仕組みを見ることができるからです。
入社してすぐに退職する場合は、会社に対する不満があっても伝えずに「一身上の都合」で乗り切りましょう。
もし上司から「詳しい理由」を求められたら、正直に理由を打ち明けるようにしましょう。
お忙しいところ恐れ入ります。急な連絡で申し訳ございません。
入社して間もない時期に大変恐縮ですが、一身上の都合で退職したいと考えております。
本来出社してお伝えすべきところお電話でのご報告となり、大変申し訳ございません。
仕事を辞める電話を朝にして退職する流れ
ここからは、仕事を辞める電話を朝にして退職する流れをご説明します。
仕事を辞める電話を朝する際の注意点
仕事を辞める電話を朝にする際には、注意していただきたいことが4つあります。
- 電話をした後、着信拒否にして無視するのはNG
- 電話で退職を伝えた後、退職届は郵送する
- 電話で退職を伝えた後、退職届は郵送する
- 会社から非常識と思われて円満退職は難しくなる
退職は「退職の意志」を伝えてしまえば、全て完了というわけではありません。4つのことを注意しながら、退職を進めていきましょう。
注意点①電話をした後、着信拒否にして無視するのはNG
一方的に着信拒否をして会社からの連絡を無視するのは、絶対にNGです。
会社からの電話には、いくつかの可能性があります。
- 同僚からの引き継ぎの質問
- 上司や先輩からの引き止め
- 人事部からの退職手続きに関する連絡
会社からの電話は、引き継ぎや引き止めなど面倒くさい内容の場合もあります。しかし人事部からの退職の手続きに関する大事な連絡を無視すると、退職がいつまでも完了しません。
退職手続きが完了しないと失業手当の受給申請ができないですし、転職もできません。また退職していないのに出勤もしていない状態は、「無断欠勤」になります。
無断欠勤を続けると退職どころか「懲戒解雇」になる可能性があるので、注意が必要です。
もし電話でのやりとりが辛いのであれば、メールや手紙など電話以外の連絡手段をとってもらうように会社に伝えましょう。
注意点②電話で退職を伝えた後、退職届は郵送する
電話で退職を伝えた後、退職届を書面で会社に届けなければいけません。
オイトマスタッフ
かといって退職届のためだけに、わざわざ会社に出社するのは面倒ですよね。上司と直接顔を合わせると、引き止められたり怒られたりするリスクもあります。
退職を伝えた後、退職届は郵送で届けるようにしましょう。退職の意志を伝えるときに「退職届は後日郵送で送る」旨を伝えておけば、問題ありません。
- 一般書留…荷物を出した郵便局、出した時間、荷物が到着した郵便局、着いた時間、どの郵便局を経由したか、を記録してくれる
- 内容証明郵便…いつ、誰が、誰に、どういう内容の、郵便を送ったかを郵便局が証明してくれる
どちらの方法も受け取った時間まで追跡できるので、会社に確実に受け取ってもらうことができます。
注意点③会社によっては退職を認めてくれないこともある
退職の意志を伝えても、会社によっては認めてくれない場合もあります。
どんな退職理由であっても基本的に会社の合意が取れれば、即日退職可能です。また退職理由が「やむを得ない理由」であった場合、法律で即日退職が認められています。
逆を言うと退職理由がやむを得ない理由でない場合、会社は即日退職を認める必要がありません。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法第627条)
引用元:e-Gov法令 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
正社員は退職の申し入れを「2週間以上前にする必要がある」と、法律でも定められています。
あなたの退職理由がやむを得ない理由以外の場合、会社から「即日退職は困る」と言われたら会社の意向に従うようにしましょう。
注意点④会社から非常識と思われて円満退職は難しくなる
会社を辞めるときは、以下の3つを守るのが社会人のマナーです。
- 就業規則に定められたタイミングで退職を申し出る
- 責任を持って引き継ぎをする
- 退職を伝えるときは直属の上司に直接伝える
仕事を辞める電話を朝する際はこれらのマナーを全て守らないことになるので、会社に「非常識」「ありえない」と思われるのは回避できません。悪い印象を与えてしまう以上、円満退職できないことは覚悟しておくべきです。
しかし円満退職ができなかったからといって、転職や今後の生活に悪い影響は一切ありません。また辞めた職場内でどんなに非難されても、自分の耳に入ってくることはないです。
たとえ円満退職ができなくても、そんなに気にする必要はないといえます。
仕事を辞める電話をするのが怖い人は退職代行を使おう
仕事を辞める電話をすることすら怖い人は、退職代行の利用を検討してください。退職代行は依頼の相談・依頼さえすれば、退職手続きを業者にほぼ丸投げして退職することができます。
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法律には退職を伝えるタイミングについての定めはありますが、退職を伝える手段についての制限はありません。つまり、退職代行も「退職の意志を伝える手段の一つ」だといえます。
- 会社に行かずに退職できる
- 上司に会わずに退職できる
- 会社や上司と連絡を取らなくていい
- 即日退職可能
- 有給や未払給与の交渉ができる
- 退職書類を確実にもらえる
退職代行を使えば会社とやり取りせずに即日退職出来る
退職代行に依頼すれば、退職代行があなたと会社の間に入って連絡や交渉をしてくれます。「上司と電話で話すのが怖い」といった人でも、自分の伝えたいことをしっかり伝えて退職することが可能です。
また「退職理由を言いたくない」「退職理由がやむを得ない理由じゃない」という人も、即日退職できます。退職代行は会社と粘り強く交渉し、即日退職の合意を取り付けてくれるからです。
万が一交渉が難航して即日退職できない場合でも退職代行業者が「会社に退職を伝えたその日から」出社しなくてもいいようにしてくれるので、安心してお任せください。
仕事を辞める電話を朝にして退職することは出来る?まとめ
仕事を辞める電話を朝にして退職することは可能です。退職の電話をするときは就業前30分に電話をかけ、直接の上司に伝えるようにしましょう。
ただし退職理由によっては、退職が認めてもらえない場合があります。また電話をするのが辛い場合もあるでしょう。
そのようなときは退職代行の利用を検討してください。退職代行なら、会社や上司と連絡を取らずに即日退職することができます。怖い上司や人間関係の悩みから、1日も早く解放されましょう。