Aさん
オイトマスタッフ
退職代行は退職の合法的な手段なので、嫌がらせを受ける可能性は限りなく低いです。しかし残念ながら、退職代行に対して理解の浅い会社などは例外のようです。
この記事では嫌がらせの原因や事例など真実を解き明かしながら、その最大の対処法まで紹介していきます。嫌がらせが怖くて退職代行をためらっている人も、最後まで読めば依頼したくなるはずです。
- 結論:退職代行の利用で嫌がらせにあう可能性は低い
- 退職代行の利用による嫌がらせの可能性を低くする方法2選
- 退職代行を選ぶ際は、会社と交渉が出来る「労働組合運営」か「弁護士」を選ぶ
- 退職代行OITOMAなら労働組合運営で安心して退職をサポート!
結論:退職代行を利用しても嫌がらせされる可能性は少ない
結論から言うと退職代行を利用して退職することで、嫌がらせをされる可能性は少ないです。
なぜなら、「退職の自由」は法律で認められた労働者の権利だからです。
- 憲法第18条…何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない
- 憲法第22条…何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する
- 民法第627条…雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する
- 民法第628条…やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる
つまり嫌がらせをすることは法律違反ということになります。
また嫌がらせをするにしても、意外と時間や手間、時にはお金が必要です。普通の会社であれば、退職した一社員のために業務の時間を割きお金を使ってまで嫌がらせをしている暇はありません。
退職する人に嫌がらせをすることは会社にとって「法律違反」「浪費」です。このようなことから退職代行を利用して退職しても嫌がらせを受ける可能性は限りなく低いといえるでしょう。
退職代行を利用して嫌がらせを受ける4つの原因
先にも述べましたが、退職代行を利用したという理由で嫌がらせを受ける可能性はほとんどありません。
しかし退職代行に依頼する以前になんらかの問題があると、退職後に嫌がらせを受けることもあるようです。
退職代行を利用して嫌がらせを受ける原因には以下の4つがあります。
- 会社の体質
- 依頼者の問題
- 退職代行選びに失敗した
- 退職代行を使ってから出社する必要がある
原因1:会社の体質
まず一番目の原因は会社の体質です。会社が古い体質だったり高圧的なワンマン経営者だったりすると、退職代行への理解が薄いため「従業員に逃げられた」「退職に違法な手を使われた」と思われることも少なくありません。
このような会社だと「退職代行=敵」とみなされ、嫌がらせをしてくることが考えられます。しかし退職は合法、退職代行も退職の手段として合法です。たとえ無茶苦茶な言い分を押し通そうとする会社でも、退職代行は法律に則った方法で対処していきますので安心して任せましょう。
原因2:依頼者の問題
Aさん
Bさん
会社との間に依頼者自身が問題を抱えている場合、退職代行を利用するとさらに大きなトラブルに発展することが考えられます。
このような問題は退職代行で退職したところで問題は解決しませんし、かえって事態が大きくなるはずです。退職代行に依頼するよりもまずは弁護士に相談することをおすすめします。
原因3:退職代行選びに失敗した
退職代行業者は50社以上あり、対応できる範囲やサービスが違います。
特に民間企業が運営している退職代行は会社と交渉することができません。もし会社が「退職代行からの退職の申し出は受けられません」という姿勢だった場合、交渉することができませんので退職自体が失敗してしまう可能性があります。
退職代行を利用した退職を成功させるなら、「労働組合」か「弁護士」が運営元の退職代行業者を選びましょう。
原因4:退職代行を使ってから出社する必要がある
退職代行を利用して退職の意思を伝えてから、退職の手続きや引き継ぎのために出社する場合があります。
このときにはすでに上司だけでなく同僚にも退職のことは伝わっており、「無視」や「業務を押し付けられる」といった嫌がらせを受けるかもしれません。
しかしそのような嫌がらせも「退職日」でおしまいです。ゴールが見えていると前向きに考えて、適当に流しておきましょう。
退職代行利用時によくある嫌がらせを事例と共に紹介
退職代行を利用した時によくある嫌がらせは以下のようなものがあります。
- 退職の書類が送られてこない
- 最後の給与が支払われない
- 有給休暇が消化できない・ごまかされる
- 上司から直接自宅に来る
- 社内に噂を流される
- 転職を妨害される
- 会社から損害賠償請求される
具体的に紹介していきます。
退職の書類が送られてこない
通常退職日から10日から2週間すると退職の書類が送られてきます。しかし「退職代行利用は正式な退職ではない」と書類を送ってくれない会社があります。
- 離職票…失業保険の受給申請に必要
- 雇用保険被保険者証…転職先で雇用保険の手続きをする際に必要
- 源泉徴収票…年末調整や確定申告に必要
- 年金手帳…転職先で年金手続きをするために提出を求められることがある
退職の書類を退職者に渡さないことは法律違反です。送られてこない場合は退職代行業者に相談し、業者から会社に催促してもらうようにしましょう。
それでも会社が送ってこない場合や催促に対応していない退職代行業者に依頼してしている場合は、それぞれの機関に相談し対応してもらいましょう。
書類 | 相談機関 |
---|---|
離職票 | ハローワーク |
雇用保険被保険者証 | |
源泉徴収票 | 税務署 |
年金手帳 | 年金事務所 |
離職票はすでに転職先が決まっている人は必要ありませんが、他の書類がないと新しい職場に迷惑をかけることになります。転職に間に合うようにちゃんと準備しておきましょう。
最後の給与が支払われない
会社に行かずに退職したという理由で最後の給与が支払われない可能性もあります。電話で問い合わせても「給与が欲しければ取りに来い」といったことを言われることもあるでしょう。
しかし会社が給与を払わなかったり、支払いが遅れたりすることは労働基準法違反です。会社が給料を払ってくれないときは労働基準監督署に相談してみましょう。
ただし「給与の請求権は支払日から3年間で時効」と定められています。請求するのなら早めに行動することが大切です。
有給休暇が消化できない・ごまかされる
有給を取らせない・日数をごまかすということも考えられる嫌がらせです。
年次有給休暇は労働者に認められた権利なので、会社側が「うちの決まりに有給なんてない!」と言ったとしてもそれは通りません。退職するからと負い目を感じずに堂々と請求しましょう。
有給は週30時間以上もしくは週5日または年間217日以上の場合、勤めたから半年で10日間の有給が付与され、その後1年ごとに増えていきます。増加の上限は20日です。
勤続年数 | 有給付与日数 |
---|---|
6ヶ月 | 10日 |
1年6ヶ月 | 11日 |
2年6ヶ月 | 12日 |
3年6ヶ月 | 14日 |
4年6ヶ月 | 16日 |
5年6ヶ月 | 18日 |
6年6ヶ月 | 20日 |
有給の日数をごまかされないためには、退職代行に依頼する前に給与明細やタイムカード、出勤表などで有給残日数を確認しておきましょう。
上司から直接自宅に来る
退職代行を利用したら上司が自宅に押しかけてくることもあります。
このようなときは自分で対応しないようにしましょう。まずは退職代行に相談して会社に連絡してもらいます。
それでも引き下がらないようであれば警察に相談です。帰るように促しても居座るのは、住居侵入などの不退去法に該当する可能性があります。
社内に噂を流される
退職代行を利用して退職したことが「退職代行で逃げた」など、社内で噂されることがあります。
しかし会社の上司や同僚なんて退職してしまえば、ほとんどお目にかからないはずです。それに辞めた会社で噂されていることなど自分の耳に入ってくることはないので、気にする必要ありません。
「きっと噂するのが好きなんだな」と気にせず、言いたい人には言わせておきましょう。
転職を妨害される
「退職代行を利用して辞めた」ことを転職先に伝える上司や同僚がいることもあります。
退職代行を利用したことが転職を左右するとは考えにくいです。しかし転職先によっては「すぐ辞めるかもしれない」といった印象を持つ可能性もあるでしょう。
退職代行に限ったことではなく、マイナスなイメージになり得ることが転職先伝わるのは防がなくてはいけません。社内で信用できる上司や同僚に聞かれても、転職先は教えないようにしましょう。
会社から損害賠償請求される
Bさん
このような嫌がらせを受けた人もいるようですが、退職代行を利用したことによって損害賠償請求されることはまずないといえます。
そもそも退職代行で退職することは法律違反ではありません。それに損害賠償請求をするとなると、「証拠集め」「弁護士や裁判などの費用」のような時間・労力・お金を使わなければいけません。まともな会社なら勝つ見込みの薄い裁判のためにわざわざ浪費するはずがないでしょう。
ただし、退職前に会社と依頼者がトラブルを抱えているときは話が別です。
- 会社のお金を横領した
- 起業するのに、同僚を引き抜いた
- 会社の機密情報を持ち出した
- 会社の物を破損した
上記のようなことで会社に大きな損失を与えていた場合は、会社から損害賠償請求を受ける可能性があります。しかしこの損害賠償請求は退職代行をしなくても受けることになるので、退職代行を利用したせいではありません。
退職代行を利用して嫌がらせにあう可能性を減らす方法
退職代行を利用して嫌がらせを受ける可能性をさらに下げる方法として、以下が挙げられます。
- 連絡が来ても対応せずに退職代行業者に任せる
- 即日退職して会社に出社しないようにする
退職代行に依頼する前に知っておき、少しでも嫌がらせを受けるリスクを少なくしておきましょう。
連絡が来ても対応せずに退職代行業者に任せる
退職代行が退職の意思を伝えると人事部や上司、同僚から直接電話がかかってくることがあります。これには全て応答しないようにしましょう。
電話があったことをすぐに退職代行に連絡すれば、「直接連絡しないよう」会社に伝えてくれます。
上司や同僚からどんな要件なのか気になるかもしれません。しかしたいていが「引き止め」や「叱責」などなので、応対して得することはありません。退職代行は会社とのやりとりは全てやってくれますので、安心して業者任せにしておきましょう。
即日退職して会社に出社しないようにする
即日退職してしまえば、会社の人と直接会わなくていいので嫌がらせのリスクは激減します。
退職代行に依頼して退職日まで有給か欠勤になるよう会社と交渉してもらえれば、退職の意思を伝えた日から会社に行く必要がなくなり「実質即日退職」にできます。
退職届や貸与物の返却も郵送で済ませられるので、わざわざ出社する必要はありません。
退職代行を利用して嫌がらせにあった際の対処方法
嫌がらせのリスクをどんなに少なくしても、万が一嫌がらせにあってしまった場合は状況に応じて対処していくことが大切です。
- 嫌がらせの証拠を押さえておく
- 携帯電話の番号やメールアドレスを変える
- 弁護士に相談することも視野に入れる
対処方法①嫌がらせの証拠を押さえておく
気分のよいものではありませんが、嫌がらせの証拠はしっかり押さえておきましょう。
- 暴言などの録音データ
- 現場の写真・動画
- メール、LINE、SMS、での文面のやり取り
- 手紙や脅迫状
- 日記
警察や弁護士に動いてもらうときに重要な資料になります。
対処方法②携帯電話の番号やメールアドレスを変える
上司や同僚からの連絡が止まないようであれば、携帯電話の番号やメールアドレスを変更しましょう。電話番号は着信拒否をすれば済むかもしれません。しかししつこく他の人の電話から連絡してきたりされると、拒否したところでキリがないでしょう。
誰がどこで繋がっているのかわかりません。世間は意外と狭いことも多いので、人間関係のリセットのためにも思い切って変更することをおすすめします。
対処方法③弁護士に相談することも視野に入れる
連絡がしつこいだけでなく自宅に押しかけや脅迫状など嫌がらせが悪質な場合は、弁護士に相談するようにしましょう。
対処方法①でもご説明しましたが、ここで証拠が重要になってきます。証拠があれば弁護士が法に則って会社に対処してくれますし、もし裁判になっても有利に進めることができます。
また嫌がらせで身の危険を感じたときは、警察に相談することもおすすめです。つきまといや脅しは立派な犯罪なので、証拠があれば警察も動いてくれるはずです。
退職代行を利用して嫌がらせにあわないようにするポイント
退職代行を利用して嫌がらせにあわないようにするためには、実績豊富な退職代行業者を選ぶことが大切です。
また今いる会社ではどのような嫌がらせをしてくる可能性があるか、想定しておくと前もって対策が立てられます。万が一嫌がらせを受けても落ち着いて対処できるはずです。
- 実績が十分にある退職代行業者を選ぶ
- 嫌がらせにあうことを想定して動く
ポイント①実績が十分にある退職代行業者を選ぶ
嫌がらせにあわないようにするためには、実績豊富な退職代行業者を選びましょう。実績豊富な退職代行業者であれば依頼者の話しを聞いて想定されることや準備しておくことを事前に伝えてくれるので、自分でも対策をできるはずです。
それ以前に実績豊富な業者は会社との交渉に長けているため、「有給が取れない」「給料が払われない」といった予想されるトラブルは未然に防いでくれます。また「退職書類がこない」「上司が連絡してくる」といった嫌がらせがあったとしても、的確な対応をしてくれるはずです。
退職代行サービスはここ10年ほどで成長した業界です。そのため実績が浅い新しい業者も多数存在します。実績の浅い業者は経験した案件が少ないため、トラブルが起きたときの対応が遅かったり、対応方法がまずかったためにトラブルが大きくなったりということが考えられます。
退職代行業者選びは「実績の豊富さ=退職の確度」といっても過言ではありません。
ポイント②嫌がらせにあうことを想定して動く
会社の体質や自分の置かれている状況から起こり得る嫌がらせを想定しておきましょう。
例えば会社自体がブラック企業で退職書類を送ってくるか不安なとき、最寄りのハローワークや年金事務所、税務署の所在地や電話番号を把握しておけば送られてこなくても慌てずに相談することができますよね。
あらかじめわかっていれば嫌がらせを受けても怖さは軽減できますし、落ち着いて対処することも可能です。
退職代行を使うと嫌がらせにあう? まとめ
退職代行を利用することで嫌がらせを受けることはほとんどありません。しかしごくまれに嫌がらせをする会社や上司・同僚がいることも確かです。
嫌がらせにあわない対処法として証拠集めや電話番号を変えるなどがありましたが、一番の対処法は実績豊富な退職代行業者を選び何もかもまかせてしまうことです。
退職代行に全てを任せられれば退職手続きのわずらわしさからだけでなく、嫌がらせによる精神的ダメージからも解放されるでしょう。