バイトを辞めたいとき、本当の理由を伝えるべきか悩むこともあります。すでにバイト先でトラブルを抱えているときは、できるだけ穏便に退職したいですよね。
今回はバイトを辞める理由で悩んでいる人に向けて、嘘をつくときのおすすめな理由や嘘がバレたときのリスクなどを徹底的に解説します。
- バイトを辞める理由は嘘でも法律的には問題ない!
- 引っ越しや就職を理由にすると、嘘がバレやすいから要注意!
- 嘘がバレにくいおすすめの退職理由は3つ
- 嘘がバレるのが怖いときは退職代行を利用しよう!
結論:バイトを辞める理由は嘘でも法律的には大丈夫!
そもそも日本の憲法では、労働者に「退職の自由」が認められています。つまりどのような理由で退職しても問題ないので、「嘘の理由で退職してもいい」ということになります。
2021年3月に株式会社ビズヒッツが公表した「アルバイトを辞めた理由に関する意識調査」によると、「辞める本当の理由を伝えたか」という質問に約4割の人が「嘘の理由を伝えた」と回答しています。
バイトを辞めるときは、正直に理由を伝えるのが望ましいです。しかし「バイト先で嫌がらせを受けた」といった理由は、本当のことを伝えるのが怖いでしょう。
また伝えた後の周囲の反応が、気になって伝えづらいという人もいるかもしれません。そのようなときは上手な嘘を伝えましょう。これからご紹介していきます。
退職理由で嘘をつくなら矛盾がないように気を付ける
本来バイトを辞めるときの退職理由は「一身上の都合」で十分なのですが、一身上の都合で納得してくれる雇用主はなかなかいないでしょう。
そのためバイトを辞める理由は、差し障りのない程度に具体的な理由を伝える必要があります。さらに正直な理由が言えないときは、「矛盾のない嘘」をつくようにしなければなりません。
例えば「他の業種を経験したいので、バイトを辞めます」と伝えると、たいてい次はどんな業種に行きたいのか聞かれます。
もしそこで同じ業種を答えると退職理由と矛盾が生まれてしまい、雇用主に不審に思われるかもしれません。この場合「違うところで働いてみたい」と伝えると矛盾なく話が通ります。
退職理由をある程度具体的に伝えるのは大切ですが、練り過ぎるとかえって矛盾が生まれるので注意が必要です。
【使うな】嘘がバレた時にめんどくさくなる退職理由
バイトを辞めるときに嘘をつくのは法律的に問題ありません。しかし嘘をついてバレてしまったときに、気まずい思いをすることもあります。
そのなかでも特に「バレる可能性が高いから言わないほうがいい退職理由」があるので、ご紹介します。
- 引越しや留学でバイトを辞める
- 就職することになったのでバイトを辞める
住まいや雇用形態が変わるような嘘は退職後に元バイト先に遊びに行けなくなったり、近くを通れなくなったりと様々な弊害があります。事実でないのなら、退職理由として絶対に伝えないようにしましょう。
引越しや留学でバイトを辞める
まず後からめんどくさい退職理由の一つとして挙げられるのは、引っ越しや留学など住まいを移動するという退職理由です。
引っ越しや留学で遠くへ行ってしまうならバイト先に通えなくなるので、雇用主も退職を認めるしかありません。
しかし近所に住むバイト仲間や友人を通して、引っ越ししていないことが嘘だとバレる可能性は高いです。嘘をついていることが知られると、バイト仲間だけでなく友人の間でも自身の評判を落とすことになりかねません。
また元バイト先を通りかかったときに、雇用主やバイト仲間にばったり会ってしまうこともあります。「偶然近くまで来たので」とごまかすことはできるかもしれませんが、さらに嘘をつくのは心苦しいですよね。
就職することになったのでバイトを辞める
「就職することになったので、辞めます」も、嘘がバレるとめんどくさい退職理由です。「就職が決まっています」と伝えれば、職場の人達は惜しみながらも応援して送り出してくれるでしょう。
しかし新しいバイト先に元バイト先の人がやってくると、就職していなかったことがすぐにバレてしまいます。元バイト先の人達は「頑張れ!」と応援しながら送り出しただけに、いい気分はしないでしょう。
さらに新しいバイト先の人にまで「嘘をついてバイトを辞めた」ことがわかると、信用を失う可能性もあります。
バイトを辞める際におすすめな退職理由【例文付き】
退職理由が伝えづらいときは、なんとか他の理由を伝えて辞めたいですよね。特に職場いじめやパワハラといった人間関係が問題の場合、これ以上辛い思いをしたりトラブルを起こしたりしたくないはずです。
ここでは、バイトを辞めるときにおすすめな嘘の退職理由をご紹介しましょう。
- 家庭の事情でアルバイトを辞める【最も一般的】
- 学業に専念したいためバイトを辞める【学生におすすめ】
- 体調不良で出勤するのも困難なためバイトを辞める
例文も一緒にご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
家庭の事情でアルバイトを辞める【最も一般的】
おすすめの嘘の退職理由で最も一般的なのは、「家庭の事情」です。親などの身内が理由となると、プライバシーに深く関わります。そのためバイト先から、深く踏み込んで話しを聞かれることはありません。
遠方に住んでいる祖母が体調を崩したので、うちで引き取ることになりました。今後は家族と協力して介護をしていくのですが、慣れない介護のため体力的にも精神的にもバイトと両立していくのは難しいと考えています。大変急で申し訳ありませんが、バイトを辞めさせていただきたいです。
しかしバイト先によっては「おばあちゃんはどういう病気なの?」「症状はどんな感じ?」など、デリカシーのないことを聞いてくる場合もあります。
そのようなときは「プライベートなことなので、控えさせていただきます」と、やんわりとお断りするようにしましょう。
学業に専念したいためバイトを辞める【学生におすすめ】
学生の本分は学業です。学生が学業を理由にバイトを辞めたいと言ったら、バイト先も強く引き止めにくくなります。
また学業を理由にするときは「受験で○○大学を目指している」「成績が下がってしまった」など、具体的な内容を添えると納得してもらいやすいです。
来年から大学受験なのですが、○○大学を狙っていて、今から受験勉強に専念したいと考えています。大変急なのですが、〇月末でバイトを辞めさせていただきたいです。
就職活動に活かすために、○○の資格取得を目指して専門学校に通います。大学と専門学校のダブルスクールでアルバイトをする時間が無くなりそうです。大変申し訳ありませんが、学業に専念したいのでバイトを辞めたいです。
体調不良で出勤するのも困難なためバイトを辞める
「体調不良で働くのが難しい」というのも、退職理由として有効です。バイト先は「体調不良で働けません」と言っている人を、無理に引き止めることはしません。
というのも「体調が悪くて働けない」という人を無理に働かせた場合「安全配慮義務違反」になり、従業員から慰謝料請求される恐れがあるからです。
先日から体調が悪く、病院を受診したところ医師に治療に専念するようにすすめられました。自分としても体力的に働くのが難しいと考えており、大変ご迷惑をお掛けしてしまいますが、バイトを辞めさせていただきたいです
体調不良を理由にする場合、退職を伝える前から欠勤するようにしておくと退職理由に真実味が増します。また「どんな病気」など突っ込んでこられそうな場合は、「詳しいことをお伝えできず申し訳ありません」と前置きをして話し始めるといいでしょう。
アルバイトを辞める際に退職理由が嘘とバレた時のリスク
アルバイトを辞めるとき法律上では、「嘘の理由」を伝えても問題ありません。では嘘の退職理由を伝えることには全くリスクはないのでしょうか?
「嘘の退職理由」を伝えること自体に、特別なリスクはありません。しかしもし嘘がバレてしまったときには、2つのリスクが考えられます。
- バイトを辞めることを引き止められる
- なぜ嘘をついたのか問いただされて怒られる
リスクをしっかり理解して、より確実にバレない嘘をつくようにしましょう。
リスク①バイトを辞めることを引き止められる
退職の意志を伝えるときに理由が嘘だとバレると、辞める理由がなくなります。バイト先から「理由が嘘なら、辞める必要はないよね」と言われてしまうと、反論しにくいですよね。
また本当は別の理由があって改めて伝えたとしても「どうせそれも嘘だろう」と思われ、まともに話を聞いてもらえなくなるでしょう。
さらに嘘をついたことを職場全体に知られてしまうと、雇い主やバイト仲間からの信頼を大きく損なうことにもなります。
退職の意志を受け取ってもらえないだけでなく、気まずい空気の中働き続けなくてはいけなくなるかもしれません。
リスク②なぜ嘘をついたのか問いただされて怒られる
退職理由の嘘がバレると、どうして嘘をついたのか厳しく問いただされ怒られるリスクもあります。怒られると嘘をついたことを後悔することになりますし、バイト仲間に迷惑をかけることに罪悪感を覚えることになるでしょう。
また嘘をつく人間は職場に不利益を与える存在だとみなされ「明日から来なくていい」と解雇されるかもしれません。解雇は通常の退職とは違うので、次のバイト先の採用に不利に働く可能性があります。
もちろんバイトを辞められたこと自体は、望み通りです。しかしバイト先から叱責されたことや後悔したことがトラウマとなって、今後の人生に悪影響を及ぼすこともあります。
アルバイトを辞める際の伝え方を解説
嘘の理由でも本当でも、アルバイトを辞めるときには必ず「バイトを辞めること」を伝えなくてはいけません。
できれば雇い主に間違いなく伝えて、確実に退職できるようにしたいですよね。アルバイトを辞めるときの退職の伝え方には「時期」「タイミング」「手段」の3つにポイントがあります。
- 退職希望日の2週間前までに店長へ伝える
- 休憩時間やお店の開店前・閉店後
- 基本は会って伝えるがメールやLINE、電話でもOK
詳しく解説していきます。
時期:退職希望日の2週間前までに店長へ伝える
退職の意志は「退職希望日の2週間前まで」に店長などバイト先の一番偉い人に伝えるようにしましょう。
というのも民法第627条には、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」と定められているからです。
Tさん
オイトマスタッフ
バイト先の決まりと法律ならば、法律のほうが優先されるので2週間前でもOKです。
ただし「2週間で辞めなくても大丈夫」ということであれば、店長と辞める時期を相談するのがベストです。
タイミング:休憩時間やお店の開店前・閉店後
退職の意志を伝えるときは店長が忙しくない休憩時間やお店の開店後・閉店後を狙うのがベストです。忙しい時間に話そうとしても、聞いてもらえない可能性があります。
例えばオフィス街にある飲食店であれば、ランチタイムは一番忙しい時間です。そんな時間に退職の意志を伝えても「今忙しいから後で」と、まともに取りあってくれないでしょう。
もしかすると「時間を考えろ!」と怒られるかもしれません。一度タイミングを失ってしまうと、再チャレンジする勇気はなかなか湧いてこないですよね。
店長に余裕のある時間に声をかけ、しっかり話しを聞いてもらうようにしましょう。
手段:基本は会って伝えるがメールやLINE、電話でもOK
退職を伝えるときは「バイト先の一番偉い人に直接会って伝える」のがマナーです。しかし「店長と出勤日がどうしても合わない」「店長の外出が多くて会う機会がない」といった場合、メールやLINE、電話を使って伝えるのもアリです。
ただし直接会う以外の方法でも、バイト先の一番偉い人に伝えなくてはいけません。他のバイト仲間に伝言を頼んだり、バイトのグループLINEで退職を伝えたりするのは、店長に対して失礼にあたるので絶対にNGです。
またメールやLINE、電話は相手の顔が見えません。曖昧な表現やややこしい言葉を使うと、誤解を与えることがあります。
直接会うときよりも「退職したい意志」や「退職希望日」などをはっきり伝えるようにしましょう。
店長に伝えるのが嫌な人は退職代行を使うという手もある
退職の意志が固まっていても、店長に伝えるのが嫌でバイトを辞められない人もいるはずです。そのようなときは退職代行の利用を検討してください。退職代行も電話やメールと同じく、退職を伝える手段の一つです。
バイトを辞めたい人が退職代行を利用すると、多くのメリットがあります。
- バイト先に行かずに辞められる
- 店長に会わずに辞められるる
- バイト先や店長と連絡を取らずに辞められる
- 有給取得のチャンスがある
- 未払残業代の交渉ができる
- 最後の給料が確実にもらえる
退職代行を利用するには費用がかかります。しかし有給取得や未払残業代をもらえると、普通に退職するよりもお得なケースもあります。
退職で悩みを抱えているときは、ぜひ相談だけでもしてみてください。
アルバイトを辞めたい人からよくある質問
退職代行には、日々たくさんの相談が寄せられています。その中でも、特に多くの方が尋ねられる質問2つにお答えしたいと思います。
- バイトを辞める理由は言わなくても平気なの?
- バイトを辞める理由は精神的でも大丈夫?
バイトを辞める理由は言わなくても平気なの?
本来バイトを辞めるときの退職理由は「一身上の都合」で問題ありません。しかし「一身上の都合」と言われて「はい、そうですか」と納得してくれるバイト先はなかなかありません。
退職理由はある程度具体的に伝えるほうが「何?」「どんな?」と突っ込まれずに済むので、スムーズに退職の話が進みます。
ただし退職理由が「家庭の事情」や「体調不良」の場合はプライベートな内容も含みます。これ以上聞かれたくないというときは「詳しくお伝えできませんが…」「プライバシーに関わるので…」と伝えて深く踏み込まれるのを防ぎましょう。
バイトを辞める理由は精神的でも大丈夫?
バイトを辞める理由は、精神的でも大丈夫です。むしろ精神的に辛いというのはとうつ病などの精神疾患の疑いもあるので、辞めやすいかもしれません。
ただしバイト先によっては体調不良をだと伝えると、診断書の提出を求めてくる場合があります。もし「精神的な理由」が嘘の場合は、注意が必要です。
嘘がバレると引き止められて、バイトを辞められなくなるかもしれません。「いい嘘の理由が思い浮かばない」「嘘を伝える自信がない」というときは、退職代行を利用して安全に退職するようにしましょう。
バイトを辞める理由は嘘でも平気?まとめ
バイトは嘘の理由で辞めても大丈夫です。しかし転居や就職を理由にすると、嘘がバレる可能性が高いのでやめましょう。
本当の退職理由を伝えたくないときにおすすめの退職理由は「家庭の事情」「学業に専念」「体調不良」です。しかしどうしても「自分で伝える自信がない」というときは、退職代行の利用を検討してください。