Tさん
Kさん
「仕事を辞めたいけど、上司に直接伝える勇気がない」「面と向かって退職の話をしても、引き留められそうで怖い」など、対面で退職の話をすることを避けたいという方は多くいます。
特に若い世代では携帯で連絡を取るのが当たり前で育っているので、電話で退職の話をしたいという方が多いのかもしれません。
電話で退職の話をしてもいいものなのか?する際の注意点やマナーは?気になるポイントを各章ごとにまとめて解説してみました。
オイトマスタッフ
自身も退職をするとき、引き留めに遭ったりしてスムーズに辞めることが出来なかった経験を元にこの記事を書きました。「退職を言い出せずに日々悶々としている方の背中を押せるように!」がモットーです。
結論:退職の意思は電話で伝えてもいい
Kさん
オイトマスタッフ
結論から申し上げますと、退職の意思を電話で伝えてOKです!問題ありません。理由は法律で退職の意思表示方法が定められていないためです。口頭でも、LINEでもメールでもいいということです。
退職の意思を告げてから、2週間後には退職が完了します。会社独自で定められている就業規則には「退職は1カ月前には申告する」などと定められている場合がありますが、効力は法律の方が上です。つまり、2週間前に退職を伝えればOKという事です。
その2週間に出社の義務は特にありませんので有給を使うか、欠勤扱いにしてもらいましょう。
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
本来であれば退職の意思は対面で示したほうが良い
法律的にはメールや電話で退職を申し出てもいいのですが、一般論の話をすれば極力は直接お話をしたほうが良いとされています。それ以外の手段は非常識だと言う方がいるのは事実です。(ただし、やむを得ない理由がある場合は除く)
退職の意思を表明する基本マナーは、まず直属の上司に伝える事です。上司を飛び越えてその上の人や人事に話を通してしまうと、直属の上司の顔を潰すことになるので控えましょう。
退職を切り出す心の準備が出来たら「今後のことでお話があります。お時間を取って頂けませんか?」とアポを取りましょう。このとき、他の人に話を聞かれるような場所ではなく、二人きりで話せる空間で伝えましょう。辞めることが職場に知れ渡って必要なのない混乱を生まないための配慮をするのがスマートです。
退職の意思を電話で伝えても良い例
やむを得ない理由がある場合は退職連絡を電話やメールで行うことも致し方ないでしょう。直接伝えたくても、物理的に会社へ行けない場合だってありますよね。
話の通じる上司であれば、事情をしっかり説明すれば「絶対に必ず直接伝えに来い」とは言わないはずです。
ここでは退職の意思を電話で伝えてもいい、代表的な例を3つピックアップしました。当てはまる場合は無理せず、電話で退職を伝えましょう。
- 例①:体調不良
- 例②:家族の介護
- 例③:ハラスメントに巻き込まれている
例①:体調不良
Bさん
一番多いパターンかなと考えられるのは体調不良によって会社へ行けないことです。「事故に遭って怪我をしてしまい、入院することになった」「働きすぎてメンタルを崩し、病院に行ったら適応障害(うつ病)と診断された。」
肉体的に会社に行けないことは想像がつきやすいですが、精神的な理由から行けないというのはなかなか理解されづらいかもしれません。手っ取り早いのは心療内科を受診して診断書を貰う事です。憂鬱な気分が続いているのであれば一度受診することをお勧めします。
入院中で物理的に会社へ行けない場合は、上司に電話をしやすいかもしれません。しかしながら、メンタルの問題となると電話連絡さえも厳しいかもしれません。そんなときは家族や友人に代わりに電話してもらうか、メールやLINEで連絡を取りましょう。退職代行に依頼するのも一つの手なので、利用出来るサービスは遠慮なく利用しましょう。
例②:家族の介護
Iさん
自分の問題ではなく、家族がいきなり倒れてしまい急遽実家に戻ることになったいうケースも存在します。実家で面倒を見られるのが自分しかおらず、介護や看病をしなくてはならないという状況は、やむを得ない理由に入ります。
介護レベルは人によって様々ですが、重度となると付きっ切りでの看病が必要になります。夜中のお手洗いも付き添わなければいけなかったりと、介護する側の体力はギリギリでしょう。
上司に電話連絡する際は、介護によって直接会社へ行き、退職のお話をする時間を取れないという旨を伝えましょう。電話連絡になってしまう妥当な理由ですので、上司も理解を示してくれることでしょう。
少し緊急の事態を脱したら地域の福祉課に連絡をし、必要なサポートを受けましょう。ケアマネージャーと相談し、今後の対応を考えていくといいかと思われます。
例③:ハラスメントに巻き込まれている
Kさん
電話での退職連絡がやむを得ないパターンの中で最悪なのは「ハラスメントに遭っている」です。職場でセクハラやパワハラを受けていたら退職を言い出しにですし、そもそも会社へ行きたくないですよね。精神的苦痛から体調を崩していることも考えられます。その場合、電話連絡になってしまっても全く問題ありません。
セクハラ・パワハラ(いじめ・嫌がらせ)が原因で精神的に追い込まれ、退職を余儀なくされたのならそれは労働問題に当たります。ボイスレコーダーで証拠を集められるのであれば集めましょう。ハラスメントの事実を証言してくれる同僚の存在も重要になってきます。
ハラスメントに関して当事者同士はその現状に悪い意味で慣れてしまって、客観的な目線を持つことが難しいです。第三者の機関に相談して事態を冷静に把握することが必要不可欠でしょう。
厚生労働省のホームページにハラスメントの相談先が載っています。法テラスという機関では弁護士に無料相談出来るので、損害賠償を請求したい方は要チェックです。
電話で退職の意思を伝えるときの3つの注意点
Aさん
オイトマスタッフ
ではいざ、退職の連絡をしようと思い立ったら、一旦確認してほしいことがあります。電話をする前に、最低限押さえておきたい注意点を3つチェックしましょう。
退職の連絡は、会社を辞めるための重要な初手です。去り際は人の印象を決定づけるものになり得るので、出来るだけ良い印象を残せるように段取りすることが大事です。
これだけ抑えておけば間違いないという注意点を3つピックアップしました。念頭に置いて退職連絡を実行に移して下さいね。
- 注意①:マナー違反ということを認識する
- 注意②:言葉遣いに気を付ける
- 注意③:時間帯に気を付ける
注意①:マナー違反ということを認識する
オイトマスタッフ
基本的なことですが「電話での退職連絡はマナー違反だと存じています」という姿勢は重要です。私個人的にはメールでもLINEでもなく、電話を入れるだけ十分偉いと思ってしまいますが、一般的には非常識に当たります。そのことを念頭に置いて電話をかけましょう。
「本来であれば出社してお伝えすべきところを、お電話という形になってしまい、大変申し訳ございません」と枕詞を付けるだけで上司が話を聞き入れてくれる体勢を取ってくれやすいです。
マナー違反であるという自覚があれば自然とお詫びの言葉が出てくると思うので、後は気負わず誠心誠意話せば気持ちも通じることでしょう。
注意②:言葉遣いに気を付ける
オイトマスタッフ
大前提に気を付けておきたい注意点は言葉遣いです。難しい敬語が分からなくても精一杯の丁寧語を使いましょう。今はネットで調べれば例文はいくらでも出てきます。電話越しであればカンペを読んでもバレないので、自信のない方は台本を作るのもおすすめです。
基本となる例文を載せておくので冒頭はこの文言を伝えれば間違いないです。
「お忙しいところ恐縮ですが、この度お伝えしたいことがあり、お電話させていただきました。 実は一身上の都合で退職させていただきたいと考えております。 急なご連絡となり申し訳ございません。 また、本来であれば出社してお伝えすべきところを、お電話という形になってしまい、大変申し訳ございません」
言葉遣いが失礼に当たらないか、家族や友人に聞いてもらってチェックするのもいいかもしれませんね。
注意③:時間帯に気を付ける
オイトマスタッフ
電話をかける時間帯には配慮が必要です。メールやLINEであればお互いの都合の良い時間に読んで返事することが可能ですが、電話は相手の時間を強制的に奪ってしまいます。かける時間帯によって印象が随分変わってきますので、気遣いと想像力が大切です。
理想は始業前15~30分前とされています。朝に連絡するメリットは対応してもらえる可能性が高いからです。夕方や夜は「忙しいのでまた後にして」と言われる可能性があります。
早朝や深夜の連絡は常識的にもちろんご法度です。また、業務時間外に連絡をしたほうが良い理由は、退職連絡は業務ではなく自己都合の連絡であるためです。マナーを守って退職連絡を成功させましょう。
退職を電話で伝える時の言い出し方【例文付き】
退職を電話で伝える時の言い出し方をご紹介します。
退職理由は人それぞれですが、今回は体調不良で退職するケースの例文を見てみましょう。
お忙しいところ恐縮ですが、今後のことについて相談したく、お電話させていただきました。
最近体調不良が続いており、病院で検査を受けた結果、しばらく治療が必要で早期回復が難しいと言われたため、退職したいと考えております。
本来であれば直接お伝えすべきことですが、体調が優れずどうしても出社が難しいため、お電話という形になりました。会社が人手不足な中、このような結果になってしまったことを本当に申し訳なく思っております。
ポイントは、引き止められないように仕事の継続が難しい理由をハッキリと述べることです。
電話で上司にどうやって伝えよう?と悩んでいる方は、上記を参考に伝えてみてください。
退職の電話をしたときの想定される対応5選
Aさん
オイトマスタッフ
前項の注意点も踏まえて退職の電話をした結果、上司はどのようなリアクションをしてくるでしょうか。「こうなったらどうしよう、ああなったらどうしよう」「引き留めてくるのかな、あるいは怒ってきたらどうしよう」と電話をする前は緊張しますよね。
闇雲に不安がるのではなく、きちんとしたやり取りをするための対策として、相手の出方を想定しておいたほうが良いです。あらかじめ何パターンか想定しておけば、いざという時の反応に困らずに済みます。
そこで、考えられる上司の反応を5パターン取り上げてみました。どんな反応があり得るか、その際どう対応すべきか、返答例も併せてご紹介いたします。ぜひ参考になさってください。
- 例①:もう少し頑張ってみようよと言われる
- 例②:突然怒り出す
- 例③:法律や就業規則を使って引き止める
- 例④:電話でのお話は認めず、出社させようとする
- 例⑤:急に優しくなる
例①:もう少し頑張ってみようよと言われる
Bさん
退職の電話をしたときに、まず大体の上司は「もう少し頑張ってみない?」と仕事の継続を提案してきます。突然退職の話をされて上司も戸惑っていますし、立場上もし辞められてしまったら後任を探すことや、引継ぎも必要になってくるので頭が一杯になっていることでしょう。
急に伝えてしまったことへのお詫びの気持ちを忘れずに、上司の置かれている立場を想像した上で言葉を選びましょう。もう少し仕事を続けられないか打診されたときのこちらの応対としては「急に思いついて退職を言い出しているのではない」という事を伝えましょう。
電話での退職連絡になったことにはきっとやむを得ない理由がありますよね?「退職をしたいので検討お願いします」と相手に決定権を投げてしまうと何ターンも余計なやり取りが発生します。うやむやにせずはっきりと理由を伝えることで上司も話を次の展開へと進めてくれることでしょう。
例②:突然怒り出す
Kさん
電話で退職の意思を伝えた途端、急に怒ってくる上司がいます。「辞めるなんてありえない」と取り合ってくれないパターンは最悪です。激情している相手に何を言っても無駄なので、「お電話でお伝えすることになって申し訳ありません。退職させて頂きたいと考えています。」と最低限のことを伝えたら後は書面での連絡に切り替えましょう。
書面で退職届を作成し、内容証明郵便で送りましょう。退職届が受理されてから2週間で退職は完了するのであとは待つだけです。
退職の際のトラブルで多いのが「そんな話は聞いていない」という「言った・言わない」の押し問答ですが、書面のやり取りであればそのような事態を避けられるでしょう。
例③:法律や就業規則を使って引き止める
Uさん
退職を伝えた際、上司によってはロジカルに引き留めてこようとします。「急に辞めるのは就業規則に反するよ」「勝手に辞めるなら懲戒解雇処分にする」などと規則や法律を盾に引き留められてしまって埒が明かないので、一旦電話を切りましょう。法律に詳しい相手を論破するのは骨が折れます。
ロジカルな引き留めをしてくる上司に当たってしまった場合の有効な手は話の相手をチェンジすることです。直属の上司ではなく上司より上の立場の人間や人事部の人に話を通しましょう。「上司に退職の話をしたけれど取り合ってもらえなかった」と相談ベースで話を始めるのがいいでしょう。
もし、話が通じる上司がいない場合は内容証明郵便で退職届を送付しましょう。民法では、退職の意志表示をした日から2週間経過すれば退職できると規定されています。退職理由なんて要らないのです。一身上の都合で十分です。それでも退職の手続きを進めてくれないのは違法なので労働基準局や弁護士に相談しましょう。
例④:電話でのお話は認めず、出社させようとする
Iさん
電話で退職の話を切り出したらすぐに「電話でする話じゃない。直接会社へ来てください。」と言われてしまった。直接行けないから電話してるのに、理由も聞いてくれなければ話を進めることが出来ませんよね。
とにかく、退職の意思が固いことと会社に行くことが出来ない状況であることを伝えましょう。そして、今後のやり取りはメールや書面でのやり取りをお願いしましょう。
そもそも退職するためにどうしても出社しなければいけない事例は多くありません。社外に出せない書類にサインする必要があるなど、特別な事情がある以外はすべてのやり取りを郵送で完結させることが可能です。置いてきてしまった私物を引き取る必要がある場合でも着払いで郵送してもらえば問題ありません。
例⑤:急に優しくなる
Tさん
最後に考えられる上司の出方は退職の話をした途端、急に優しくなるです。この場合2つのパターンが考えられます。1つ目は、優しくして退職を思いとどまって欲しい。魂胆には「部下に辞められてしまっては自分のメンツがつぶれる」という思惑があったりします。
2つ目は「もう辞めるのであれば厳しくする必要はない」と気持ちを抜かれてしまったパターンです。今まで厳しく接してきていたのは、指導し育てようと思ってこその態度だったことが考えられます。もう辞めてしまうのであればこれ以上関わることもないし、と優しい態度に変わった可能性が高いでしょう。
どちらにしても、何も気にせず退職の手続きを進めるのが良いと思います。退職はどこかで躓いてしまうと長引きます。面倒であっても退職届はすぐに作成し、送りましょう。
退職の話を電話で済ませたいなら退職代行に任せよう
オイトマスタッフ
ここまで読み進めて頂いた方の中にはこのように思っている方はいませんか?「退職のやりとりってめんどくさいな」実際、めんどくさいです。突き詰めていくと法律の知識が必要だったりしますし、退職後も必要書類のやり取りの為に連絡をとらなければなりません。
そんなとき、頼りになるサービスがあります。退職代行サービスというのを聞いたことがあるでしょうか?2010年代から誕生した代行サービスで、退職したい方の代わりに会社と連絡を取り手続きをしてくれるサービスです。
どのような方が利用しているかと言うと「辞めたいと伝えたけど執拗に引き留められて困っている」「上司がパワハラ気味で怖くて言い出せない」と困っている方や、「どうしても即日退社したい」「有給休暇を取得してから辞めたい」という理由から気軽に利用している方も多いです。
退職代行を依頼するなら退職代行オイトマにお任せ
退職代行サービスの中でもおすすめなのが退職代行オイトマです。オイトマでは無料相談を回数無制限で受けることが可能で、不安点をとことん相談してから利用を決める事が出来ます。
相談から最短30分で代行連絡が可能なスピーディーさが売りです。早ければ即日退社も夢ではありません。朝起きて、「今日からもう仕事行きたくない」と思い立ったらすぐに会社を辞めることができるのが退職代行の良いところでしょう。
運営元は労働組合で実績も多数あり、安心な業者と言えるでしょう。弁護士監修の退職届も無料でプレゼントされるのが嬉しいところです。万が一退職が叶わなかった場合は全額返金の保証もついているので自信の高さが伺えます。
「有給は貰える?」「入社したばかりだけど退職出来る?」など気になる点を聞くだけでも無料相談を利用しちゃいましょう。
退職することを電話で伝える時によくある質問
退職するときは電話だけでもいい?まとめ
いかがでしたでしょうか。退職を伝える方法は実は何でもいいということですね。理想は直接面と向かって伝えるのがベストですが、状況によってはメールやLINE、電話などのツールを使って退職を言い出せる便利な時代になったという事なのでしょう。
相手の顔色を伺う必要がない分、電話での連絡は精神的ハードルも低くて済みますよね。いつまでも退職を先延ばしにしていると時間がもったいないので、電話で伝えるだけ伝えてしまうのがおすすめです。
この記事の内容を参考にして頂き、退職がスムーズに進むことを願っております。最後までお読みいただきありがとうございました。