産休後に退職するのはアリ?注意点やメリット・デメリットまで徹底解説

産休後に退職するのはアリ?注意点やメリット・デメリットまで徹底解説

退職希望のAさんAさん

育児って想像してたより大変!

退職希望のKさんKさん

全然時間がなくてヘトヘト…

子どもを生むまでは育児と仕事を両立する気でも、いざ育児を始めてみると両立する自信がなくなる人も多いはずです。

でも産休や育休は復職を前提に取れる休暇制度。終わってすぐに退職してもなにも問題はないのでしょうか?退職したときのメリット・デメリットを含めて解説していきますので、最後まで読んで産休後の退職を検討するのに役立ててください。

目次

育休・産休後の退職はアリ?ナシ?

育休・産休後の退職はアリ?ナシ?

結論から言うと育休後や産休後の退職は法律上何ら問題ありません。厚生労働省の平成30年度雇用均等基本調査によると、育休後に復職しなかった女性は約100人中10人もいることがわかっています。

しかし「ビジネスパーソンとしてどうなの?」「会社に迷惑かからない?」ということが気になるのであれば、慎重に検討すべきでしょう。そもそも育休・産休は「会社に戻ってくることを前提に」取得できる休暇です。

会社はあなたが復職することを期待して、業務の振り分けや採用を行っています。復職せずに退職することはそのような期待を裏切ることになりますし、会社はあなたがいなくなる穴を採用や部署異動で埋め直さなければいけなくなります。

つまり育休・産休後の退職は「ビジネスパーソンである」という観点からすると、褒められる行為ではないです。しかし「自分の人生を豊かにするため」に必要ならば、退職を選択することも大切でしょう。

育休・産休後に退職する前に確認!利用できる手当金制度

育休・産休後に退職する前に確認!利用できる手当金制度
育休・産休中、退職後には様々な一時金や手当金が給付されます。

利用できる手当金制度
  • 出産手当金
  • 出産一時金
  • 育児休業給付金
  • 失業手当

これらは育休・産休後に退職した場合でも給付されるのでしょうか?もしくは返還する必要あるのでしょうか?

具体的に見ていきましょう。

手当①出産手当金

出産手当金は出産のため会社を休みその間に会社から給料がなかった場合に、出産の日以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以降56日目まで、会社を休んだ期間を対象として手当金が受け取れる制度です。

受け取れる1日あたりの金額=支給開始日以前の継続した12ヵ月間の核付きの標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3なので、例えば月収が25万の場合、日額約5,555円(25万÷30日×2/3)受給可能です。

産休中に退職した場合でも、退職日等まで被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日にすでに出産手当金の支給を受けているか、出産の日以前42日目が加入期間で退職日は出勤していない状態であれば、資格喪失後も所定の期間の範囲内で引き続き支給を受けることができます。

手当②出産一時金

出産一時金は正しくは出産育児一時金といいます。子どもが生まれたとき申請すると1児につき42万円が支給されます。(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合は40.8万円となります。)

支給条件

被保険者または家族(被扶養者)が、妊娠4か月(85日)以上で出産をしたこと。(早産、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれます。)

また退職日まで被保険者期間が継続して1年以上あれば、資格喪失日から6ヵ月以内に出産したときは出産育児一時金が受け取れます。

もし退職後に配偶者の健康保険の扶養に入った場合、資格喪失後の出産育児一時金と家族出産育児一時金のどちらを受け取るか選択しなくてはいけません。

手当③育児休業給付金

育児休業給付金は母親と父親どちらも受給可能な給付金ですが、支給期間が異なります。

  • 母親…産後休業期間(産後8週間以内)が終了した翌日から子どもの1歳の誕生日前日まで
  • 父親…子どもの出生当日から1歳の誕生日の前日まで
支給条件

雇用保険に加入し、保険料を支払っている
1歳未満の子どもがいる
育児休業後、退職予定がない
育休中の就業日数が各1カ月に10日以下である
育休中に休業開始前の1カ月の賃金の8割以上が毎月支払われていない
育休前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上

育児休業給付金は1カ月ごとに区切られた支給単位期間ごとに給付されます。もし育休中に退職する場合、退職日が含まれる期間の一つ前で給付が終了になります。

【例】育休開始日が4月5日の場合、毎月5日~翌月6日までが支給単位期間になります。

退職日 支給単位期間
105 55日~96
106 55日~106

退職前にもらった育児休業給付金は返還する必要はありません。ただし退職のタイミングによっては支給額が少なくなることを知っておきましょう。

また当たり前のことですが、産休後に退職すると育休には入っていないので育児休業給付金をもらうことはできません。

手当④失業手当

育休・産休後に退職して失業手当を受け取ることはできます。

支給条件

就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力がある
離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること

失業手当を受給するためには「すぐ働ける状態であること」が大前提です。そのため出産や育児を理由に退職し、すぐに働けない場合は受け取ることができません。

ただし今すぐの再就職が難しくても「再就職するつもり」がある場合は、申請すれば受給期間を最長3年まで延長することができます。受給期間を延長しておけば、改めて就職活動をするときに失業手当を受け取れるかもしれません。

産休後に退職するメリット

産休後に退職するメリット
産休後に退職するメリットは以下のようなものがあります。

産休後に退職するメリット
  • 育児に専念できる
  • 余計なストレスから解放される
  • 自分の時間を確保できる

子どもが生まれると何もかも子どもを優先する生活が始まり、仕事とのバランスが非常に困難です。退職すれば時間だけでなく自分の心にもゆとりを持つことができるでしょう。

メリット①育児に専念できる

育児に終わりはありませんが、3歳までが特に負担の大きい時期といわれています。1歳になる前には離乳食もが始まり、ハイハイで動き回ります。よちよち歩きをし出したら、目を離すこともできません。もう少し大きくなるとイヤイヤ期にトイレトレーニング。

大変なことには違いありませんが、このような育児ができるのは一生のうちこの時だけです。大切な時期を子どもと向き合って過ごすのは貴重な時間になるでしょう。

メリット②余計なストレスから解放される

復職すると仕事に時間を取られるだけでなく、業務や環境に慣れるまでストレスが溜まりがちです。また人事異動で復職前とは部署内の人が変わっている場合も多く、対人関係がうまくいかなくなる可能性もあります。

産休後に退職すれば、職場の余計なストレスを家庭に持ち込むことなく育児を楽しむことができるはずです。

メリット③自分の時間を確保できる

退職すれば育児に専念できることはもちろんですが、仕事をしない分自分の時間を確保することができます。

子どもが寝ている時間などをうまく利用して読書やヨガなど趣味に費やしてもいいですし、再就職に向けて必要な資格取得の勉強をするのもいいでしょう。

またクラウドソーシングを利用して、お小遣い稼ぎに有効活用することもできます。

産休後すぐに退職するデメリット

産休後すぐに退職するデメリット
産休後すぐに退職するのはメリットばかりではありません。

産休後すぐに退職するデメリット
  • 安定した収入がなくなる
  • 保育園を退園させられる可能性がある

デメリット①安定した収入がなくなる

産休後に退職すると、配偶者の収入のみになり経済的な負担が大きくなります。さらに再就職をしようしても離職期間が長いと正社員で採用されるのは難しいため、給料が退職前に比べて低くなることは覚悟しておくべきです。

子どもの学費やマイホーム、将来資金などお金がかかることはたくさんあります。収入が少なくなると今後のライフプランにも大きな影響が出てくるので、退職するかどうかは配偶者ともよく話し合って決めるようにしましょう。

デメリット②保育園を退園させられる可能性がある

2人目の子どもが生まれて退職した場合、たいてい上の子は保育園を退園しなくてはいけせん。

もちろん即座に退園というわけではなく保育園と役所に相談すれば、就職活動期間として3ヶ月程度そのまま預かってもらえる可能性があります。

ただし退職して再就職しない場合はこの制度は利用できませんし、就職活動期間に転職先が見つからない場合も残念ながら退園することになります。

産休後退職するときのポイント

産休後退職するときのポイント
退職は円満退職が基本です。ここでは円満退職するため知っておきたいポイントをご紹介します。

産休後退職するときのポイント
  • 退職意志はなるべく早く職場に伝える
  • 職場に対して否定的な退職理由を避ける
  • 条件を提示されても揺るがない
  • 退職が難しいときは退職代行を利用する

産休後すぐに退職する際、引き継ぎが必要ないにしても、会社に迷惑かけることに間違いありません。できるだけ会社に配慮して、スムーズな退職を心がけましょう。

ポイント①退職意志はなるべく早く職場に伝える

退職の意志を伝えるのは基本的に会社の就業規則に従うのが無難です。民法第627条には「退職を申し出れば、2週間で退職できる」と明示されているので、法津上では2週間前に退職を伝えればいいことになります。

しかし会社はあなたが戻ってくることを期待して人員配置や業務の振り分けを行っているので、あなたが退職することによってそれらの見直しを行わなければいけません。スムーズに進めるためにも、退職の意志はできるだけ早い段階で伝えるようにしましょう。

また、「数日だけ出社してほしい」「退職の話し合いに会社まで来てほしい」と会社から言われた場合も、できる範囲でいいので会社の希望に沿えるようにしましょう。

ポイント②職場に対して否定的な退職理由を避ける

退職希望のIさんIさん

会社に嫌な人がいる

退職希望のBさんBさん

待遇面に不満がある

実は会社への不満が理由で退職する人もいるかもしれません。しかし職場の不平不満を伝えてしまうと、心象が悪くなって円満退職が難しくなります。

波風立てずに退職するためにも職場を否定することは避け、育児に専念やキャリアアップ、引っ越しといった差し障りのない退職理由を伝えるようにしましょう。

ポイント③条件を提示されても揺るがない

退職意志を伝えると、会社側は思わぬ好条件で引き止めようといてくる場合があります。自分にとって魅力的な条件を出されると、辞める気持ちが揺らいでしまうかもしれません。

条件を提示されて揺らがないためにも、「自分がなぜ辞めたいのか」を明確にしておきましょう。

育休後退職を決意する理由
  • 育児に専念したい
  • 勤務先が遠い
  • 子どもの体調面に不安がある
  • 育児と仕事の両立に自信がない
  • 保育園が見つからない

ポイント④退職が難しいときは退職代行を利用する

退職希望のAさんAさん

自分で退職を言いづらい

退職希望のUさんUさん

引き止めにあったとき断る自信がない

退職を決意したものの、自分で退職できるか不安な人もいるでしょう。退職代行サービスは「退職意志を依頼者に代わって会社に伝えてくれるサービス」です。依頼すれば自分で会社とやり取りすることなく、スムーズに退職することができます。

さらに退職代行は退職金の交渉もしっかりしてくれるので、退職金の金額をごまかされたり、もらえなかったりといったトラブルを防ぐことができます。

退職代行は運営元で「弁護士」「労働組合」「民間企業」の3種類に分類されます。

運営元 退職の交渉
弁護士 できる
労働組合 できる
民間企業 できない

上の表でわかるように、退職の交渉ができるのは弁護士と労働組合の退職代行です。民間企業は「退職の意志を伝えること」はできますが、退職金などの交渉ができません。さらに会社が「退職代行での退職受け付けません」といった態度を示した場合、退職自体が失敗してしまう可能性があります。

確実に退職をするなら、「弁護士」か「労働組合」の退職代行業者に依頼するようにしましょう。

育休明けに仕事と育児を両立する方法

育休明けに仕事と育児を両立する方法
育休明けに仕事と育児を無理なく両立するには2つの方法があります。

育休明けに仕事と育児を両立する方法
  • 時短勤務やフレックス制度を利用する
  • 正社員からパートに雇用形態を変更する

時短勤務やフレックス制度を利用する

時短勤務やフレックス制度を利用すれば、時間にゆとりができ仕事の両立がしやすくなります。

  • 時短勤務(育児短時間勤務)…3歳までの子を養育する労働者が、1日の所定労働時間を原則6時間とすることができる制度
  • フレックスタイム制度…一定期間についてあらかじめ決められた総労働時間の範囲内で、始業や終業の時間を労働者が自由に決められる制度

時短勤務は1日の労働時間を6時間に抑えられ、フレックスタイム制は日ごとに働く時間が違っても1週間で40時間分働いていればいいので、仕事と育児のバランスがとりやすいです。

時短勤務は法律で決められている制度ですが、フレックスタイム制の有無や詳細は会社によって異なるので、就業規則を確認するようにしましょう。

正社員からパートに雇用形態を変更する

正社員からパートに雇用形態を変更した場合も、拘束時間や勤務日数が減るので育児との両立がしやすいです。また責任の重さや求められる能力も正社員のほうが重く、パートのほうが気楽に働けるので仕事のストレスが軽減されます。

また時間に余裕があれば、副業をすることも可能です。パートと副業をうまく組み合わせれば、時間の都合がつきやすく効率的にお金を稼ぐことができるでしょう。

育休・産休後に退職した人の体験談

育休・産休後に退職した人の体験談
実際に育休・産休後に退職した人達の体験談をご紹介します。退職したことをどのように感じているのでしょうか。

体験談①育休明け1か月で退職した20代ママ

産前までは希望の職でがむしゃらに働いていました。仕事が好きだったからこそ、仕事に誠実だったからこそ、仕事を辞めたというのもあります。満足いく成果を出したいと思えば残業は避けられませんし、子どもの病気で休んでいる場合ではありません。仕事が中途半端になるくらいなら辞めたほうがいいです。
子育てが一段落したら働いてもいいかなと思っています。ただ子どもが安心して帰ってこられる家庭作りのためにも、仕事はセーブしてパートかな。できれば語学を生かして在宅ワークもいいですね。

育児と仕事との両立はやってみないとわからないことばかりです。この方は好きな仕事に誠実に向かい合った結果、退職を選択されました。今後は育児と両立してできる仕事のやり方を考えていくそうです。

体験談②育休明けに退職した30代パート

初めての子どもで可愛くて可愛くて、保育園に預けるのは嫌だと思って辞めました。後悔どころか、むしろ良かったと思っています。子どもの成長を毎日見られるのはとても幸せです。子どもが3歳になったらまた週3日程度のパートに就こうかと思っています。

育児は大変ですが、子どもの日々の成長を見られるのは幸せなことです。幼稚園、小学校、中学校と嫌でも離れる時間が長くなるのなら、一緒に過ごせる時間を大切にするのも素敵なことですよね。

産休後すぐに退職するのはアリ?退職する前に知っておきたいメリット・デメリット まとめ

産休後すぐに退職するのはアリ?退職する前にしっておきたいメリット・デメリットまとめ

育休・産休後に退職するのは法律的にはOKですが、ビジネスパーソンとしてはあまりいい行為とはいえません。しかし子どもが生まれることで環境が変わり、辞めることを選択しなくてはいけない場合もあるでしょう。

育休・産休後に退職すると、あなたの復帰を待っていた会社には迷惑が掛かってしまいます。なるべく早い段階で退職を伝え、円満退職できるように心がける必要があります。

もし自分でうまく退職できる自信がないときは、退職代行がおすすめです。退職代行を利用すれば、会社と直接やりとりすることなくスムーズに退職することができます。育児で大変な時期は少しでも余計なストレスを抱え込まないようにしましょう。

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当記事の執筆者

退職代行OITOMAの編集長。自身も2018年に、退職代行業者を利用して会社を辞めた経験がある。自身の体験を活かしながら、仕事を辞めたいと思っているのに辞められないという人を救うべく、退職代行OITOMAの編集長に就任。

\これまで2000名以上からの退職相談実績があります!/
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