Aさん
Bさん
一般的にはベテラン社員として頼りにされることが多い年代ですが、仕事を学ぶ機会が減り、若いころにあった仕事へのモチベーションが無くなって仕事を辞めたいと考えらる方が多いのが実情です。
今回の記事では、50代の方が仕事を辞めたいと感じた時に取りたい対策や、辞める時の注意点を解説していきます。辞める前に是非参考にしていただけると幸いです。
- 結論:50代の方でも辞める事は可能だが50代故の注意点を確認しておく
- 理由:50代からの再就職は困難であり老後も暮らしていくための貯金が必要
- 転職をする際には予め転職先を決めてから辞めましょう
- 退職代行業者を使うと気まずい思いをすることなく簡単に退職できる
- 退職代行を始めて使うという方や、流れが分からない場合は下記動画をご覧ください。
50代で仕事を辞めたい・疲れたと感じている人は多くいる
Aさん
Bさん
仕事を辞めたいと考えている人は20-30代に多いと思われがちですが、40-50代にも仕事の悩みを抱えて「転職」や「退職」を考える方は少なくありません。
厚生労働省の雇用動向調査によると、令和3年の50代の離職率は以下の表にある通りです。
性別 | 50〜54歳の離職率 | 55〜59歳の離職率 | 全年齢の離職率 |
---|---|---|---|
男性 | 5.6% | 7.9% | 15.3% |
女性 | 10.2% | 9.1% | 16.9% |
男性は20人に1人、女性は10人に1人の割合で退職していることが分かっています。
周りには話していなくても「仕事に疲れた」「辞めたい」と感じている人は多くいるのが現状です。
50代が仕事を辞めたい・疲れたと思う原因
50代の社会人と聞くと仕事にも慣れているベテランというイメージを持ちますが、
若手の頃には無かった50代故の悩みをもっている人も多くいます。
50代の人が会社を辞めたいと考える原因を紹介していきます。
原因①50代になり肉体労働が限界を迎えた
若い頃は多少の無理をしてバリバリ働いていた人も、50代になると体力や筋力の衰えにより
昔の様に働けなくなってきます。
長年の肉体労働によるヘルニアなどの腰痛や持病を抱えながら働いている人も少なくありません。
これらの様に体力的な限界から抜け出したいと考える人も多いです。
原因②50代になり働く意味を見失った
若かった頃は仕事で新しいことを学ぶことも多く刺激がありましたが、50代になると同じ事の繰り返しが多くなり仕事へのモチベーションが低下してしまうことがあります。
仕事への意欲が低下すると働いている意味が分からなくなり、「何のために働いているのか」と考えるようになってしまいます。
それでも多くの人は定年まで仕事を続けることを選びますが、本当は辞めたいと思っている方が多いです。
原因③会社の経営が傾き将来が不安になった
50代の人の様に勤続年数が長くなると良くも悪くも会社の状況が見えてしまい、
会社と自分の将来を不安に思ってしまうことがあります。
近年では新型ウイルスの影響もあり、業績が落ち込んでしまった会社も多い状況です。
大企業でも早期退職の募集が増えており、定年まで安定して働けるか不安を覚え、今の会社を辞めた方がいいのではと考えてしまいます。
仕事を辞めたい・疲れたと思った50代が考えるべきこと
仕事を辞めたい・疲れたと思ったとしても一度立ち止まって冷静になるようにしましょう。
経験や実績の多い50代の退職とはいえ、20-30代の退職よりも多くのデメリットとリスクが伴います。
ここでは50代の方だからこそよく考えてほしいことを3つお伝えします。
退職後に暮らしていける資金はあるか
仕事を辞めたい50代の方に考えて欲しいことは退職後に暮らしていける資金(貯金)はあるのかです。
仕事を辞めたら当然ですが収入は無くなります。厚生労働省の調査によると高齢者夫婦の1ヵ月の消費支出は約22万円。
毎月かかってくるこの生活費を貯金や退職金で十分に賄えるのであれば問題ないのかもしれませんが、
家族のいる人の場合には教育費、家や車のローンなど多くの面でお金が必要です。
事故や病気などの予想外の出費もあるかもしれません。
これらのことをよく考えた上で決断するようにして下さい。転職をする場合も先に仕事を辞めてしまうのではなく、次の就職先が決まってから退職するようにして収入が途絶えないようにしましょう。
今の経験を活かして別の職場に転職は出来るか
仕事を辞めたい50代の方が転職を成功させるためには、今までの経験を上手く企業にアピールすることが出来るかが重要です。
企業は50代の転職者に対して「豊富な経験」を求めています。
20-30代と比べると体力的にも見劣りしてしまうため、企業が即戦力として求めているスキルをアピールできるかがポイントになってきます。
どうしてもやりたい仕事がある場合を除いて、今までのキャリアを参考に即戦力として活躍できる業界や職種で仕事を探してみるのがオススメです。
その他にも「高い専門性」「高いモラル」「強い責任感」を挙げる声も多数見られ、仕事に対しての姿勢を評価している企業も多いです。
今の会社に残り続けて良い未来はあるか
仕事を辞めたい50代の方には会社を辞めずに残った場合についても考えていただきたいです。
能力が不足したまま退職してしまえば、転職活動でもアピール材料が不足してしまい内定が貰い辛くなってしまいますし、次の職場でも同じような悩みを抱えてしまうかもしれません。
もしかすると今よりも条件の良くない会社に就職してしまう可能性すらもあります。
しかし仕事を辞めなければお金の心配をしなくてよくなります。異動願いの提出や給料の交渉次第では不満が少なくなるかもしれません。
客観的に考え今のスキルでは転職が難しい場合には、今の会社でスキルを磨くことやアピールできる実績を作ることに力をいれましょう。
収入を途絶えさせないためにも副業をしてお金を稼げるようになっておくのも良いかもしれません。
家族との関係などを良好に保てるか
50代となると結婚をしており、子供がいる場合がほとんどです。
子供も高校や大学と一番お金がかかる時期であるため、個人の理由だけで仕事を辞めてしまうと家族と揉めてしまう恐れがあります。
仕事で心身ともに限界を迎えている場合はすぐにでも辞めるべきだと言えますが、なるべく家族に相談し退職しても今の生活を保てるかなど冷静に考えた上で判断するようにしましょう。
話合うことで、子供が独立するまでの後数年だけ頑張るなど今後のことを考えた退職がしやすくなります。
独立後も収入で厳しいといった場合には、副業などがおすすめです。
勢いなどその時の感情だけで動こうとしていないか
仕事していると、理不尽なことを要求されたり人間関係でうまく行かなかったりすることはよくあることです。
イラッとして「こんな会社辞めてやる!」となってしまう気持ちもわかりますが、感情だけで仕事を辞めるのはおすすめできません。
自分がやりたいことであったり、向いている仕事があったとしてもトラブルやいらだちが全く無いような仕事はほぼないからです。
感情だけで辞めてしまうと、次の会社でも同じことが原因で辞めてしまう恐れがあります。
すぐに辞めようとするのではなく、その感情を無くす解決方法や元の原因が何なのかを冷静に考え、退職以外でなんとかならないか考えてみましょう。
50代で仕事を辞めた人の体験談
50代故の理由から職場を退職した方達の体験談を紹介していこうとおもいます。
是非参考にしてみて下さい。
仕事の負担が大きく限界を迎え退職した50代女性
その女性の働いていた職場では、残業することは悪いことではなくむしろ良いことであるという雰囲気が根付いていたそうです。出勤も朝早く、夜は終電を逃してしまうこともあったそうです。
残業もほとんどがサービス残業。家のこともままならず、プライベートの時間も無くなってしまいました。
そんな環境に心身共に疲れ切ってしまい退職を決断したそうです。
会社の将来性に不安を覚えて退職した50代男性
どんな会社でも一時的に業績が落ちてしまうことはありますが、男性の職場ではその時の経営陣の態度に不安を覚えたそうです。
業績が落ちていることに対して解決しようとせず「仕方がない」と半分諦めに近いことを平気で口にしていたそう。厳しい状況で会社が一丸となるべき時に経営陣がそのような態度だったため、会社の将来性に見切りをつけての退職だったそうです。
職場の人間関係に疲弊した50代女性のパートさん
50代女性パートさんの職場では陰湿ないじめが頻繁にあり安心して働ける雰囲気ではなかったそうです。
社員の人に気に入ってもらえないと仕事をする上で知っておくべき内容を教えて貰えなかったり、難しい仕事ばかりを押し付けられるといったことがあったそうです。
上に立つ人がその様な状況では職場の雰囲気も殺伐としており、疲弊してしまっている人も多かったそうです。この職場で長く勤める理由が無いことに気づき退職を決めました。
仕事を辞めたら人生楽しすぎの50代女性
今すぐ辞めたいほどの不満はなかったものの、夫の収入も増えてきており50代になり仕事を辞めることになったそうです。
今までは家事と仕事の両立が大変であったため、自分が没頭できるほどの趣味などはなかったのですが、退職を気にガーデニングや家族での旅行を楽しむようになり、時間に余裕が生まれました。
専業主婦が難しいといった場合でも、正社員からアルバイトやパートに変えたりすることで、時間に余裕が生まれ今までとは違う生活を送りやすくなります。
普段の生活が面白くないと感じていたりする人は、一度仕事を変えてみるのも一つの対処方法とも言えます。
もうサラリーマンに疲れた50代男性
大学を卒業後、サラリーマンとしてずっと同じ会社で勤務してきました。
周りも同じで、結婚してからはお金の面で家族を支えるために頑張ってきたため、当たり前のように思えていましたが子供が独立して少し肩の荷が下りた感じがした途端に、普段の仕事が辛いと感じるようになってきたようです。
すぐに辞めるのは不安だったので、それまでの経験を活かし副業を始め収入が安定してきたこともあり、早期退職を決意しました。
結果、自分の時間を作ることができ、家族と出掛けたり趣味を楽しむなどして新しい人生をスタートすることに成功しています。
家族がいる以上、自分だけの判断で辞めるのはリスクもありますが、転職したり副業を始めたりと環境を変えるだけでも生活環境を大きく変えることが可能です。
仕事を辞めたい・疲れた50代が取りたい解決策
ここでは仕事を辞めたい、仕事に疲れた50代の方が行うべき解決策について紹介させていただきます。現在の状況が辛く今すぐにでも会社を辞めたくても、退職することなく今の状況を変えることができるかもしれません。
会社を辞める前にもう一度最適な解決方法がないかゆっくり考えてみましょう。
これらの解決策について解説してきます。
休職して一度ゆっくり休んでみる
仕事に疲れて辞めたいと感じる理由は人それぞれですが、特に共通しているのが仕事のし過ぎという点です。
残業が多かったり休みが取れておらず、家族や趣味の時間を十分に取れていないことから仕事を辞めたいと感じる人は多くいます。
心身的な疲れからその時だけ辞めたいと感じている可能性もあるので、まずは連休など休みを取ってみるようにしましょう。
時間に余裕が生まれ体調が元通りになることで、最近の自分や今後の自分について客観的に考えることもできて、頭の中をすっきりさせることができます。
繁忙期などは難しいかもしれませんが、なるべく我慢の限界を超える前に思い切って連休をとるようにしましょう。
今後の人生について計画してみる
50代となると、60代まで後少しであり、年齢によってはあと数年で定年退職となります。
定年退職後に何をするのかなどを一度冷静に考え人生プランを考え直すことで、それに向けて今何をすべきなのか、仕事を辞めるべきなのかを今までとは違う目線で見ることができます。
今の貯金額や退職金の有無も含め、今後の人生設計を考えるようにしましょう。
考えた上で、今すぐに辞めたほうが良いと判断した場合は50代で退職したり転職することは全く問題ないと言えます。
現状や今後のライフプランについてコーチングを受けてみる
連休などを取って体を休めた上で今後の人生などについて考えたものの、明確な目標ややりたいことが見つからないこともあります。
このような場合、どうすれば良いのかわからず余計に不安に感じてしまうこともあります。
そこでおすすめするのがキャリアコーチングです。
最近では50代に特化したキャリアコーチングも登場しているため、今の現状を踏まえた上で的確なカウンセリングを受けることができます。
また、今後やりたいことや人生のプランが既にあるという方に関しても、客観的な意見を聞いてみることで更に新しい発見があるかもしれません。
中には初回無料で行っているものもあるので、初めて利用するという方でも安心です。
副業をはじめてみる
今の仕事が大変ですぐに辞めたいとは思っていても、収入が減るのが嫌なので辞められないという方におすすめするのが副業です。
最近では多くの副業があり、中には初めてでも気軽に挑戦できるものもあります。
また、これまでのサラリーマン経験を活かせる副業が見つかるかもしれません。
副業によりある程度の収入が毎月安定して入ってくることで、新しい仕事に就職したり今の仕事をやりながら趣味などに使えるお金が増えるので負担や不満の軽減にもなります。
一つ注意すべきなのが、リスクのあるものには手を出さないということです。
やっても稼げなかったで終わる分には問題ないのですが、失敗したことで大きな借金などを抱えてしまっては余計に苦しくなってしまいます。
リスク管理は行いながら始めるようにしましょう。
早期退職制度に応募し退職金を多く貰う
早期優遇退職制度など近年大企業を中心に採用されている制度を上手く使って早期退職をすると、定年退職で本来貰う予定だった退職金の金額よりも上回った額の退職金を受け取ることができます。
会社を退職することを決めている人には是非活用して欲しい制度です。
ただ、仕事をやめることになるため定期収入がなくなること、社会的信用が無くなるなど金銭的なデメリットがあることにも注意を向けましょう。
別の部署への異動願いを出す
現在の部署での人間関係や仕事内容に不満を抱えている場合には、別の部署への異動願いを出してみることをおすすめします。
異動をするメリットとして人間関係や仕事が変わる他にも新たなスキルを習得できることや仕事を早く覚えようとするためモチベーションのアップにも繋がります。
異動願いを通しやすくするために異動先で使えるスキルをアピールすること、アピールの出来る内容がない場合にはスキルを習得するのも良いでしょう。
退職して職場や業務内容を変える
50代の転職と聞くと難しいというイメージを持ちがちですが、2020年の全体の転職者数の内18%を45-54歳が占めております。
他の年代と比べると難しいことには変わりないですが、50代だからこそアピールできる点もあるため自身の長所と企業の需要がマッチすればチャンスはあります。
新たな職場で心機一転働くことでモチベーションのアップや新たなやりがいを見つけることが出来るかもしれません。
定年退職するまで今の会社で頑張り続ける
退職せずにこのまま会社に残った場合のことも考えるようにしましょう。
50代であるということを考えると、あと数年から十数年で定年退職を迎えることになります。
定年まで短いことから、多くの50代の方は辞めるリスクよりも会社に残ることを選びます。
会社の方針や経営に不満がある場合などどうしようもない場合は辞めてしまっても良いかもしれませんが、
勢いに任せて辞めようとしている場合には一度冷静になって考えてみましょう。
50代以降も会社に残る事で、下記のメリットがあります。
会社に残るメリット
- 退職金が多く貰える
- 老後の生活が安定する
- 新たに仕事を探さなくても良い
- 現状の生活を維持できる
現状の不満と会社に残ることのメリットを天秤にかけ、退職するのか会社に残るのか納得のいく判断をしましょう。
50代でリストラや退職勧告をされた場合はどうすべき?
近年では業績の悪化や消費税の増税など、先行きの不透明さから早期希望退職者の募集や退職勧奨が行われる機会も多くなりました。
今後もこの流れは止まらず、退職勧奨や解雇などのリストラは増加していくと予想されています。
退職勧奨とは、会社側から従業員へ退職の話をもちかけて、双方合意の元雇用契約を終了することを指します。
退職勧奨には強制力がないため、仕事を辞めたくない場合にはもちろん応じる必要がありません。
ただ、会社側からしつこく勧奨を受けたり、脅されたりした場合には「退職強要」となり、不法行為にあたるため慰謝料を請求することが可能です。
万が一会社から解雇予告をされた場合には以下の2点を行うようにして下さい。
- 解雇理由証明書の請求
- 自分の意志を伝える
解雇理由証明書の請求を受けた会社は、従業員に対して解雇理由証明書を交付しなければばなりません。
(労働基準法第22条)
会社がこれを交付しなかった場合、会社側が解雇理由を明示出来ていないとされ、労働審判の際に従業員にとって有利に働きます。
会社に対して解雇理由証明書の請求をした証拠を残すため、内容証明郵便や電子メール、文書で請求するようにしましょう。電話や口頭で伝えただけでは請求の証拠とならないため注意が必要です。
2点目は自分の意志をはっきりと伝えておくことです。
合意退職(双方が合意したとされる労働契約の合意解約)とされないためにも、解雇されることに納得がいかず辞める意志がない場合にはその旨をしっかり伝えましょう。
不当解雇であった場合には労働審判や交渉によって解雇の撤廃を求めることができます。
退職金を受け取る、退職届を提出する、出勤しないなど退職を認めてしまう証拠となる行為はしないようにしましょう。
50代で仕事を辞めたい、疲れたと思う人は慎重に行動を!
50代になり仕事を辞めたい・仕事に疲れたと思う方が大勢いるのも事実ですが、50代での退職は他の年代に比べて多くのリスクも伴います。
退職したい理由は人それぞれですが、退職するにしろ仕事を続けるにしろ、今の状況よりもより良くなるように行動することが重要です。
自分のことを客観的にとらえ、もう一度現在と将来について真剣に考えれば納得のいく選択がきっとできます。
今回の記事がお仕事を辞めるか悩まれている50代の方の参考になれば幸いです。