Aさん
Bさん
適応障害はストレスによって、気分の落ち込みや睡眠障害などが起こる精神疾患の一つです。職場の状況やその人の性格などによって症状がさまざまなため「このくらい大丈夫」と、ツライ状況を我慢する人も少なくないでしょう。
しかし適応障害は放っておくとより深刻な症状を引き起こし、社会復帰が難しくなることも考えられます。
この記事では適応障害で退職しても逃げではない理由や、適応障害がツライときの対処法を明らかにしていきます。
- 結論:適応障害で退職することは逃げにはならない
- 適応障害で退職しても良い3つの理由
- 退職代行を選ぶ際は、会社と交渉可能な「労働組合運営」を選ぶ
- 退職代行OITOMAなら労働組合運営で安心して退職へ!
オイトマスタッフ
なぜ適応障害で退職することを「逃げ」だと思ってしまうのか
適応障害とは、多忙な生活や複雑な人間関係によるストレスが原因で発症します。そのため、適応障害と診断された場合、忙しい生活や複雑な人間関係から距離を置いた生活をする必要があります。
しかし、どのような場合であっても「退職」と聞くとネガティブなイメージを持つ・持たれることが多いですよね。また、退職者自身も、退職する自分のことを「逃げている」と責めていることが多くあります。
適応障害と診断されてまでも、なぜ「退職=逃げ」と考えてしまうのでしょうか。ここでは、3つの理由について説明していきます。
真面目で循環気質な日本人の性格
日本人は昔から勤勉で働き者と言われ、今も海外からは「真面目」というイメージを持たれています。そのため「退職する=問題から逃げている」と考える人も多いようです。
これは周囲だけでなく、退職者本人も抱きやすい考えです。真面目な日本人の性格上、退職は逃げだと考えやすいですが、逃げは悪いことではありません。
逃げることは、自分を守る一つの手段です。周囲や自分の固定観念にとらわれず、自分を守る最善の策だけを考えましょう。
会社や仕事に対する日本人のイメージ
少し前の日本では、終身雇用が一般的でした。そのため、役職についている年齢層の方々の中には、一つの企業で定年を迎えることが普通と考えている人が少なくありません。
仕事でも、多くの残業や休日出勤など過酷な時代を経験してきているからこそ、退職を選択する人に対して「逃げている」と感じてしまう傾向にあります。
今はスキルアップやライフステージに合わせた転職は当たり前であり、終身雇用の時代ではありません。しかしながら、まだまだ「退職=逃げ」と考える人が少なくないのが現状です。
今は日本だけでなく世界でも精神疾患が増えている
近年、精神疾患は世界中で増加傾向にあり、何の対策も取らない場合、2010年〜2030年に世界経済に最大16兆ドルの損失が生じるとの研究が発表されています。
日本だけでなく世界でも精神疾患が増加しており、今や精神疾患の増加は世界が抱える問題になりつつあります。精神疾患を抱えながらも働く人は多く、その中で退職することは逃げだと感じてしまうのかもしれません。
適応障害で退職は逃げじゃない!退職してもいい3つの理由
結論から言うと、適応障害で退職するのは逃げではありません。
適応障害を理由に、退職することが逃げではない理由は下記の4つです。
- ゆっくり休むことが最優先だから
- 心の健康があれば何度でもやり直せるから
- 退職することは選択肢の一つで逃げているわけではないから
適応障害で退職するのは自分が病気であることを認めて、症状に合った行動をとるのですからむしろ「賢明な判断」といえます。
ゆっくり休むことが最優先だから
適応障害はストレスによって心身に支障をきたしている状態なので、ストレスの原因から離れれば症状が軽くなっていきます。
つまり職場がストレスの原因ならば、休職や退職をして職場から離れることが最優先ということです。
心の健康があれば何度でもやり直せるから
適応障害は以下のような症状があらわれ、感情のコントロールが難しくなります。
- 涙もろくなる
- 不安症状
- 憂うつ
- 絶望感
- 喪失感
- 緊張
- 意欲の低下
また仕事の無断欠勤や危険運転など、普段ありえない行動をしてしまうこともあります。このような状態が続くと、会社から離れるために「死ぬ」という間違った考えに至る場合もあるのです。
一度会社を離れて、心の健康を取り戻しましょう。仕事は自分の人生を豊かにするためにするものです。心身を壊して死を考えるほど、追いつめられてまで続ける必要はありません。
心の健康があれば自分に合った仕事を見つけて、何度でもやり直すことができます。
退職することは選択肢の一つで逃げているわけではないから
近頃働き方が多様化し、転職は珍しくありません。中には「ちょっと違う雰囲気の会社に行ってみたい」といった気軽な気持ちで転職する人もいるくらいです。
適応障害になる人は性格が真面目で我慢強く、「自分が退職したら会社に迷惑がかかってしまう」「このくらいのことで逃げてはいけない」と考えることが多いようです。
しかし退職・転職は人生の選択肢の一つなので、決して逃げではありません。「キャリアチェンジ」「結婚」「適応障害」理由はなんであれ、自分の人生のために退職・転職を選択するのです。
適応障害が労災に認められた例もある
精神疾患の労災認定基準の要件を満たしていれば、うつ病や適応障害などの精神疾患も労災の対象になります。
2020年の労働施策総合推進法の改正により、パワハラも精神障害の労災認定の対象となっています。適応障害は精神疾患に含まれ、以下の条件に当てはまる場合、労災と認定されます。
- 労災認定の対象の精神疾患であること
- 発症前の約6ヶ月間に業務による強い心理的負担が認められること
- 個人的な問題で発症していないこと
2015年〜2019年の精神障害の労災補償状況は、認定率が30%台と高い数値ではありませんが、一定数は労災が認められています。
適応障害になってしまう原因
【うつ病と適応障害の違い】
うつ病 | 適応障害 |
---|---|
・発症の原因が不明なことが多い
・慢性的なストレスにさらされた後に発症する場合がある
・ストレスから離れてもすぐよくならない
|
・発症の原因が必ずある
・ストレスにさらされてすぐに発症する
・ストレスから離れるとすぐによくなる |
適応障害になってしまうのには必ず原因があります。
- 人間関係が合わない
- 職場環境が悪い
- 労働条件が悪い
- 仕事で評価されない
職場での適応障害になるおもな原因を説明していきます。
原因①人間関係が合わない
まず一番多い原因として考えられるのは、職場の人間関係でしょう。職場にはいろいろなタイプの人がおり、プライベートと違って付き合う人を選ぶことはできません。
- 自己中心的で人に面倒な業務を押し付ける人
- ミスを人のせいにする人
- 感情の起伏が激しい人
- 自分のことは棚に上げて人のミスばかり指摘する人
- 仕事のモチベーションが低く、無責任な人
このような人とも業務を円滑に進めるためには関わらなければならず、大変ストレスを感じるはずです。
また直接自分に害がなかったとしても、他の人が被害にあっているのを見るのもストレスの原因になります。
原因②職場環境が悪い
職場に派閥やグループがあって権力争いがある場合、人間関係は悪くなります。本来協力しなくてはいけない部署同士であっても、グループが違うことで業務がうまく回らないことがあると大変なストレスになります。
たとえ自分はグループに関わりたくなくても、どちらかの味方になることを迫られたりするのもツライですよね。
また権力争いはなくてもパワハラが日常化している職場だと、職場にいる間ずっと緊張していなければなりません。業務に集中したくても、違うことに気を取られて緊張している状態は非常にストレスになることでしょう。
原因③労働条件が悪い
労働条件が悪いのもストレスが溜まり、適応障害になる原因です。労働条件は入社の時に労働条件通知書などで確認しているはずですが、実際に働いていてみると全く違うということもありえます。
例えば…
- 月80時間以上の残業
- 残業代が出ない
- 昇給しない
- 有給休暇を取得できない
- 休日に呼び出される
- 社会保険に加入できない
このようなことが当たり前となっている会社では、働けば働くほどツライ状況に追い込まれていくでしょう。
原因④仕事で評価されない
会社に仕事で評価されないことも適応障害の原因になります。特に自己評価よりも他人からの評価に過敏な人はこの傾向が強いようです。ただしこれは上司が評価に厳しくなかなか評価につながらないという場合は、あまり当てはまりません。
他人の評価委に過敏な人は一生懸命頑張っているのに自分だけ平等な評価を得られないと、「自分に何を求められているのか」「どのように頑張ればいいのか」悩んでストレスが募っていきます。
なんとか評価されようと頑張っているうちはいいですが、「自分なんてどうせ…」と自己肯定感が低下しはじめたときは要注意です。
適応障害で退職する前に!今すぐ逃げたほうがいい会社の特徴
我慢のしすぎは自分の身を削ってしまいます。ストレスを溜め込みすぎると、体だけでなく心の不調も招きかねません。
今すぐ離れた方が良い会社には、いくつかの特徴があります。自分の会社が当てはまっていないか確認しましょう。当てはまっている場合や少しでも不調を感じている場合は、自分の身を守る策を検討しましょう。
特徴①パワハラやセクハラが蔓延している
ハラスメントが蔓延している会社は、今すぐ離れた方が良いでしょう。自分が被害者である場合はもちろん、周囲の人に向けられている場合も含みます。
周囲の人がハラスメント行為を受けているのを認知するだけで、ストレスが蓄積されていくからです。蔓延している=周囲が黙認している状態であるため、上司に相談したり告発したりすることで状況を変えるのは難しいでしょう。
むしろ、報告された側の人間から嫌がらせをされたり揉めたりするリスクが考えられます。そのため、ハラスメントが常時存在する会社は、今すぐ離れることを検討しましょう。
特徴②大量の業務を押し付けられる
業務量に差があったり、無理な量を依頼される場合は、上司に相談しましょう。相談後も改善されない場合、できない自分がいけないのではありません。
業務量の管理や進捗状況の把握は上司の仕事です。ある程度の業務量はこなす必要がありますが、大量の業務を無理にこなす必要はありません。
抱えている業務量や作業時間、作業ペースを考慮してもらえない場合は、無理をせず離れることを検討しましょう。
特徴③違法な労働時間が強いられている
超過勤務を含む労働時間については、法律で決められた所定時間があります。この所定時間を超えた労働を要求されるような会社はブラック企業であることが多いため、離れることを検討しましょう。
所定の労働時間を超える企業は確かに存在しますが、所定時間内に収めるのが一般的とされています。違法な労働時間は当たり前ではなく、そこから逃げることは悪いことではありません。
特徴④男女の性差別がある
日本国憲法でも、性別による差別は禁止されています。しかし、昔からの考え方や風習によって、男女差別が残っている会社も少なくありません。
また会社としては普通でも、上司が差別的な考えを持つ場合もあります。その場合、考え方を変えることは難しいでしょう。職場や部署を変えるなど、その場から離れることを検討しましょう。
特徴⑤適応障害で退職した人が多い
過去の退職者の退職理由として、適応障害などの精神疾患が多く挙げられる場合も注意しましょう。
精神疾患の原因が仕事であるとは一概には言えませんが、一日の中で長い時間を仕事に費やす人は多いため、仕事に関する悩みやストレスから発症する可能性は高い傾向にあります。
信頼できる職場の仲間がいる場合は、これまでの退職者について聞いてみると良いかもしれません。
適応障害で退職は逃げじゃない!仕事がツライときの5つの対処方法
Aさん
ツライ状態のまま無理に働き続けるのはよくありません。仕事がツライときの対処方法は5つあります。
- 仕事を休む
- 異動願を出す
- 自己肯定感を高める
- 上司や友人に相談する
- 退職する
仕事を休む
どうしても仕事に行きたくないという場合は1日や2日有給をとるのではなく、思い切って休職してみましょう。ほとんどの会社には「休職制度」が定められています。
大企業 | 中小企業 | |
---|---|---|
休職期間 | 1年以上~数年 | 数カ月~1年程度
(勤続年数が短い場合は適用除外となることもある) |
休職理由 | 病気やけがに加え、留学など | 病気やケガに限る |
休職期間の賃金 | 休職理由によって賃金が支給される場合がある | 基本的に無給 |
休職期間の間は賃金の支給がない可能性がありますが、傷病手当金の申請をすることも可能なのでゆっくり休むことに専念しましょう。
ただしこの場合症状はよくなっても適応障害の根本的な解決はされておらず、休職期間が終わったらまた職場に戻らなくてはいけません。休職の間に今の会社で仕事を続けるのか退職するべきか見極め、適応障害を再発しなくていい方法を見つけましょう。
異動願を出す
適応障害の原因が職場の人間関係なのであれば、部署異動することで解決することもあります。ただしどの会社でも部署ごとの必要人数などバランスがあるので、必ず異動できるとは限りません。
特に従業員数が100人未満の小さな会社では、部署異動は難しいようです。また異動の理由が社内に広まってしまい、会社自体に居づらくなってしまうことも考えられます。異動願を出す前に信頼できる上司や同僚に相談してみるなど、慎重に検討しましょうj。
自己肯定感を高める
Aさん
Bさん
このように感じている人は、実際はできない人なのではなく「任された仕事はできて当然」といったように完璧主義なところがあります。そのためできなかった自分に落胆したり、上司や同僚からの指摘に必要以上にダメージを受けたりしてしまいがちです。
決して簡単なことではありませんが、「今日はここまでできた」「納期より少しだけ早く終わった」といった些細なことでいいので自分を認めてあげましょう。そうすることで自分にゆとりが生まれ、ストレスを軽減させることができるはずです。
上司や友人に相談する
もし自分でどうやって対処すべきかわからないときは、信頼できる上司に相談してみるのもいいでしょう。普段あなたが頑張っているのを見ている上司なら、職場の状況も知ったうえで的確なアドバイスをしてくれるはずです。
しかし会社の人が信頼できないという場合は、会社と全く関係ない友人に相談するのも手段の一つです。何も知らない友人に話しを聞いてもらうと、ストレス発散になるでしょう。また吐き出すことで自分の考えや今置かれている状況が整理でき、これからどうすべきか解決策もみえてくるかもしれません。
退職する
適応障害の原因との関係を完全に断ち切るなら、退職するのが一番です。適応障害は病院に通って数ヶ月療養すれば、また仕事への意欲も湧いてくるはずです。しかし休職の場合は休職期間が終わったら会社に戻らなくてはならず、適応障害が再発、もしくはより悪化することも考えられます。
一方で退職すれば、会社や仕事のことを一切気にせず療養に専念できます。無職の期間「経済的に不安定になる」ことから退職をためらう人もいます。しかし失業手当の受給申請ができますので、経済面はさほど心配する必要はないでしょう。
適応障害で退職する場合に意識するべきこと
適応障害を発症してしまうと、物事を冷静に考えたり判断することが難しくなってしまったりする恐れがあり、何を優先にすべきなのか迷ってしまうことも珍しくありません。
適応障害で会社を辞めようか迷っている場合、下記のポイントを意識して判断するといいでしょう。
- 周りの意見ではなく、自分の気持を最優先に考える
- 批判的な意見は参考にしない
- ポジティブに考えて自分を責めない
この3つのポイントについて解説していきます。
周りの意見ではなく、自分の気持を最優先に考える
適応障害で退職を迷っている場合、まずは自分の気持を大切にするようにしましょう。
適応障害での悩みや苦しみは、外見ではわかりにくく周りに理解を求めたとしても、一般論を言われたり気休めの言葉しか返ってこないことがほとんどです。
適応障害は自分が好む環境に変えることで症状を改善することも十分に可能です。
周りのことは関係なく、今あなたが何をしたいのかを最優先に考えるようにしましょう。
どうしても、うまく考えがまとまらなかったり無気力でどうすれば良いのかわからないといった時には仕事を休み、心に余裕を持たせることも大切です。
批判的な意見は参考にしない
適応障害は昔からある病気ではあるものの、軽症であれば外見ではわかりにくく、中には甘えているだけと考える人もいます。
退職を相談したりした結果「それくらいで辞めるなんてただの甘え」「ここで我慢するから次がある」といった感じで言われることも珍しくはありません。
このような批判的な意見の裏側には、辞められることで忙しくなるのが嫌だったり、自分も辞められないので嫉妬していたりと自分のことを考えている場合がほとんどです。
毎日が辛く、適応障害で退職を検討しているのであれば、周りの批判的な意見は全く気にする必要はありません。
ポジティブに考えて自分を責めない
適応障害でメンタルが弱っていると、身の回りで起きたことや言われたことなどを全て自分のせいにしたりして追い詰めがちになります。
適応障害と判断され退職を検討しているのであれば、自分を追い詰めたりすることはやめてなるべくポジティブに考えることを意識するようにしましょう。
「自分が辞めることで周りに迷惑を掛けたらどうしよう」「今後の人生どうなるのだろう」と考えるのではなく「治ったらこれがしたい!」「こんなことに挑戦してみたい」などポジティブに考えましょう。
意識するだけでも精神的な負担を軽減できます。
正しく逃げるには?適応障害で退職する方法
ここでは、退職時の注意点を2つ説明していきます。職場によって、退職の申し出や手続きは様々であるため、事前に確認しておきましょう。
法に則った方法で辞める
まずは、退職の申し出をいつにするか考えましょう。法律上、14日以上前の申し出が規定されています。
企業によっては、就業規則に退職の規定があるところもあります。おおよそ1ヶ月〜2週間前の申し出を定めているところが多いようです。
退職の申し出と退職にまつわる手続き、業務の引き継ぎさえ終えれば、基本的に何事もなく退職できます。
手当の申請を行って生活費を確保しておく
失業状態では収入がなく不安だという方は、基本手当等の給付金が活用できるかどうか、事前に確認しておきましょう。
給付金の受給資格があるかどうかなどは退職前に確認できるため、一度管轄のハローワークへ問い合わせてみましょう。あまり知られていないだけで、給付金は数多く存在します。
不安を少しでも減らすためにも、事前準備・確認を怠らないようにしましょう。
適応障害で休職するときの伝え方
まずは心療内科を受診して、診断書をもらうようにしましょう。休職する際に診断書が必ずしも必要ではありません。しかし会社や上司によっては診断書がないと休職を認めなかったり、嘘をついているのではないかと疑ったりする場合があります。
病気で休養が必要だと理解してもらうために、診断書は用意しておきましょう。
次に上司に伝えるときには直接会って伝えるのが一番ですが、適応障害になった原因が上司ならば、その上司以外で重要な立場に就いている人に伝えるようにしましょう。
もし出社がツライならばメールで伝えても問題ありません。直接会わない場合、診断書を郵送で送りましょう。
【休職を願い出るメールの文例】
〇〇部長へ(上司の役職・名前)
お疲れ様です。□□(自分の名前)です。
私の体調についてご相談したく、ご連絡いたしました。
実はかねてより体調が優れず現在業務を正常に務めることが難しい状況です。
現在、病院にも通っており、医師からも業務を休むよういと言われております。
体調が回復するまで休職させていただきたいと考えておりますが、可能でしょうか?
お忙しいところご迷惑をおかけして、申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
適応障害で退職するときの伝え方
適応障害で退職する場合も病気を証明するために診断書をもらっておきましょう。
そして本来会社に退職を伝えるときは「一身上の理由」で十分です。しかし適応障害で一日も早く退職したい場合は「そんなにツライなら退職は仕方ないですね」と、会社に納得してもらえるような理由を伝えなくてはいけません。
- 精神的に限界であること
- 職場で頭痛、倦怠感、吐き気などが慢性的に起こり仕事どころではない
- 不眠・食欲不振が続いている
- 常に不安感が続いている
- 精神的に不安定で感情のコントロールがうまくいかない
- 職場で常に緊張してしまい、今までになかったミスをする
そしてもう一つ大切なことは、「今すぐにでも辞めたい!」と伝えましょう。適応障害のことをあまり知らない会社であったとしても、「もう働くのは無理な状況だな」と理解してもらえるように訴えることが重要です。
適応障害で休職・退職する際には傷病手当も申請できる
適応障害と診断され、休職・退職する場合は、傷病手当の申請が可能です。傷病手当とは、健康保険の被保険者が病気などの理由で働けなくなった場合に支給される給付金のことです。
支給要件を満たした場合に支給されますが、支給申請には、傷病手当金支給申請書の提出が必要になります。自動的に支給されるものではありませんので、会社に確認することを忘れないようにしましょう。
退職を言い出しにくいときは退職代行を利用しましょう
Aさん
Bさん
退職を決心したものの、自分で退職の意志を伝えづらいときは退職代行を利用しましょう。退職代行とは、依頼人に代わって退職の意志を伝えるサービスのことです。
退職の意志を自分で直接伝えるのがツラかったり引き止めや叱責が恐かったりしたとき利用すれば、どんな会社でもスムーズに退職することができます。
しかし最近では退職代行業者も多くなり、対応できる範囲や行っているサービスも業者によって様々です。なかには対応が雑だったり連絡がこなかったりというような悪質な業者も存在します。
また稀ではありますが会社と交渉できない「非弁業者」に依頼して、退職がうまくいかなかったケースもあるようです。確実に退職を成功させるには、「弁護士」か「労働組合」が運営元の退職代行業者に依頼することをおススメします。
退職代行の利用方法
退職代行は大きくたったの3ステップで利用することができます。
- STEP.1相談
- STEP.2依頼
- STEP.3業者からの連絡を待つ
退職代行の相談は何度でも無料です。相談手段も電話やメール、LINEと様々でかつ「24時間365日対応」している業者も多いので、仕事の時間が不規則な人でも安心して相談することができます。
相談するときは自分の状況を伝えることはもちろんですが、料金体制やサービス内容も必ず確認するようにしましょう。
依頼すると決めたら、料金を支払います。
退職代行業者は前払い制の場合がほとんどで、支払い方法は銀行振込とクレジットカード決済が一般的です。ただし銀行振込は銀行の営業日によっては業者の入金確認が遅れる場合があります。
退職を急ぐときはクレジットカード決済がおススメです。
業者から入金確認の連絡がきたら、業者の担当者と打ち合わせをします。
自分の個人情報
会社の情報
退職希望日
会社に連絡してほしい日時、連絡の宛先
必要があれば未払金、退職金、有休消化など交渉してほしいこと
打ち合わせといってもあなたや会社の個人情報や要望を伝えるだけなので、難しく考える必要はありません。
STEP.2まで終わればあとは業者から「退職完了」の連絡を待つだけです。完了するまで何度か業者と連絡をとる場合もありますが、基本的には全て業者任せにして問題ありません。
しかも退職完了まで会社や上司とも連絡する必要がないので、精神的な負担がかなり軽減されます。
退職代行を使用して退職するメリット
退職代行を活用するメリットとして、主に以下のポイントが挙げられます。
- 揉めることなくスムーズに退職できる
- 2週間で退職できる
- 執拗な引き止めを受けずにすむ
- 退職の手続きや話し合いによるストレスが軽減される
また、民間の退職代行サービスであれば、弁護士に比べ費用を抑えることができます。辞められればいいのか、交渉が必要なのかによって、得られるメリットも変わります。
適応障害で退職した後の過ごし方
適応障害で退職することを決めたはいいものの、今後どうすればいいのかと不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
適応障害で会社を辞めた後は、基本的に3つのステップで症状を和らげ復帰を目指していきます。
- 休養期は自分をリセットするためにも何もしない
- 活動期は自分の好きなことを思うままにしてみる
- 復職期は働いていた時期の生活リズムへ戻していく
この3つの過ごし方について説明していきます。
休養期は自分をリセットするためにも何もしない
退社してすぐの頃は、とにかく何もしないようにすることが大切です。
心に負担をかけないように、今後のことなどを考えるのは一旦やめてゆっくりと過ごし体を休めてあげるようにしましょう。
ある程度余裕がうまれてくると、過去の悩みなどを客観的に振り返られるようになり、自然と次にやるべきことや、やりたいことが思い浮かんできます。
それまでは焦らず、ゆっくりと過ごすようにしましょう。
周りに迷惑をかけているのでは?と考えてしまう人もいますが、甘えられる時は甘えて後から恩返しすれば全く問題ありません。
活動期は自分の好きなことを思うままにしてみる
時間や将来を気にせず、ゆっくりと休むことができてくると、自然とやりたいことや、やるべきことが思い浮かんできます。
「やらなきゃ」ではなく「やりたい、やってみたい」という感情が出てき始めたら、実際に行動に移しはじめてもいいタイミングです。
成功や失敗は気にせず、まずは自分のペースで簡単なことから始めていきましょう。
ここで気をつけたいのが、無理をしすぎないことと頑張らないということです。
とにかく自分がやりたいことを楽しむ範囲でやってみることから始めましょう。
もっとやりたい、頑張ってみたいという意欲がでてきたら、自分で判断するのではなく主治医と相談して次のステップへと進みます。
復職期は働いていた時期の生活リズムへ戻していく
復職期はいよいよ働いていた頃のリズミに体を戻していきます。
とはいっても働き始めるのはまだ先で、まずはじめは生活リズミから整えていきます。
朝は〇〇時に起きて〇〇時に就寝するなど規則ある生活リズムで過ごすことから進めていきます。
リズムに慣れてきたら、少しずつ働いたりして復帰に備えていきましょう。
このようにゆっくり焦らず回復していくことで十分に社会復帰は可能であり、元通りの生活に戻すことができます。
「退職したらもう戻れない」などと考えている方もいますが、決してそのようなことはありません。
辛い時は、自分を一番に考え体調を回復させることから始めていきましょう。
適応障害で退職する際によくある質問
適応障害で退職する場合、一般的な退職とは異なるため、不安に思うことや疑問に思うこともあるのではないでしょうか。
ここでは適応障害を理由に退職することに関する質問について答えていきます。
・適応障害での退職は自己都合になるの?
・適応障害を理由に即日退職は出来る?
この2つの疑問を解決していきます。
適応障害での退職は自己都合になるの?
適応障害などの病気で退職する場合、基本的に自己都合での退職となります。
自己都合になると失業保険を受けるまでに時間がかかるのでは?と心配する方もいますが、適応障害が原因で退職した場合は「特定理由離職者」の扱いとなります。
特定理由離職者であれば、給付制限期間はなしで失業保険を受け取ることが可能です。
また、一般的な離職よりも失業保険が給付される日数が多くなる場合もあります。
自分がその対象になるのか不安だという方は、事前に心療内科などを受診してハローワークで相談してみるといいでしょう。
適応障害を理由に即日退職は出来る?
退職に関する決まりは民法第627条により定められており、退職日の2周間前までにその意思を伝えることとなっています。
ただし、家族や本人の病気、会社側のパワハラや嫌がらせなど”やむを得ない事由”があり退職する場合は即日退社が可能です。
適応障害など精神的な病気を理由に会社を退職する場合は、なるべく診断書などをもらっておくようにしましょう。
即日退職などの交渉を自分で行うのが辛いという場合は退職代行サービスなどに依頼することをお勧めします。
依頼前には無料で相談もできるので、即日退職を含めた辞め方についてアドバイスをもらうことができます。
適応障害で退職は逃げじゃない!退職してもいい理由と方法を徹底解説まとめ
適応障害は症状が人によって違います。そのため周りから理解されず、よりツライ思いをする人も少なくありません。
適応障害に対処するには休職や部署異動などがありますが、根本的な解決になるとは限りません。適応障害がツライなら会社との縁を断ち切って、仕事から解放されましょう。心の健康さえ戻ってくれば、何度でも人生はやり直すことができるはずです。