入社して間もないと、面と向かって口頭で退職を伝えるのは気まずいですよね。また上司からパワハラを受けていて直接伝えるのが怖いという人もいるはずです。
そのようなときに思いつくのが電話で退職を伝える方法ですが、退職は電話で伝えてもいいのでしょうか?
今回は「入社してすぐだけど会社に行かずに辞めたい!」という人に向けて、電話での退職について詳しく解説していきます。自分で一切連絡せずに退職する方法もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 入社1日目から3日目でも退職の連絡は電話でして問題ない!
- 体調不良や付きっきりの介護を退職理由にすれば、スムーズに退職できる
- 入社1日目から3日目だからといってバックレるのは絶対NG!
- 退職代行なら自分で退職を伝えずに会社を辞められる
結論:入社1日目から3日目で退職する際の連絡は電話でも良い
先に結論を言ってしまうと、入社して1日目から3日目でも10年経っていても退職の連絡は電話でもいいです。
オイトマスタッフ
例えば退職に関する法律には、以下のようなあものがあります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。(民法大627条抜粋)
引用元:e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
このように退職のタイミングに関する法律は多くありますが、退職の意志を伝える方法を制限する定めはないです。つまり直接伝えるのはもちろん、電話やメール、誰かに代理で伝えてもらっても問題ありません。
ただし、円満退職は出来なくなるので注意する
退職の伝え方は、直接ではなく電話でも法律違反にはなりません。しかし先にも述べた通り「退職することを直属の上司に直接伝えること」は、社会人としての基本的なマナーです。
そのため電話で退職を伝えると「非常識」だと思われてしまいます。特に入社して1日目から3日目のような上司との人間関係が薄い時期だと、強く反感を買ってしまって円満退職はできなくなるでしょう。
電話で退職を伝えるのは法律違反ではないです。しかし円満退職したいなら、非常に勇気のいることですが「出社して直接口頭か書面で伝える」と理解しておいてください。
しかし円満退職できなくても、転職活動が不利になることはありませんし転職先に伝える必要はありません。つまり円満退職できなかったからといって、それほど気にすることはないといえます。
入社1日目から3日目に辞める際におすすめの退職理由
入社1日目から3日目に電話で退職を伝えると、円満退職は難しいです。しかし退職理由によっては、上司や同僚から強い反感を買わずに退職することができます。
- 体調不良により業務の継続が困難
- 入社前に説明された条件と採用後の条件が違う
- 身内の介護を付きっきりですることになった
円満退職とまではいきませんが、できるだけスムーズに退職できるおすすめの退職理由をご紹介します。
退職理由が特にないという人は、退職理由は嘘でもいいのかも併せて読んでみてくださいね!
退職理由①体調不良により業務の継続が困難
一つ目は「体調不良で働き続けることが難しい」という理由です。仕事ができないほど辛い体調不良なら出社できなくてもおかしくないので、電話で退職を伝えても辻褄が合います。
また体調不良の従業員を無理に働かせて症状が悪化した場合、会社は安全配慮義務違反になります。安全配慮義務違反が認められると、多額の損害賠償請求をされたり企業イメージが低下したりするリスクがあるので、強く引き止められることはないはずです。
体調不良を理由にして電話で退職を伝える例文は以下になります。
お忙しいところ恐れ入ります。実はお伝えしたいことがあり、お電話させていただきました。
入社前から体調不良が続いており、病院を受診したところ長期的な治療が必要といわれたため、退職したいと考えております。
本来であれば直接お伝えしなければならないのですが、体調が悪くどうしても出社が辛いため、お電話での報告となってしまいました。大変申し訳ございません。
退職理由②入社前に説明された条件と採用後の条件が違う
入社前に説明された条件と採用後の条件が違うのは、会社の労働基準法違反です。
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
② 前項の規定によつて明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。(労働基準法第15条抜粋)
引用元:e-Gov法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049
つまり入社前後で条件が違った場合、即日退職することができます。
お忙しいところ申し訳ございません。お伝えしたいことがあり、お電話いたしました。
入社したばかりで大変恐縮ですが、実は一身上の都合で退職させていただきたいと考えております。本来出社してお伝えすべきところをお電話という形になってしまい、本当に申し訳ございません。
まず退職理由は「一身上の都合」と伝え、さらに深く聞かれたら正直な理由を話しましょう。また電話をする前に労働条件通知書や労働契約書を用意しておき、具体的にどの条件が現状と異なるのか明確に伝えられるようにしましょう。
退職理由③身内の介護を付きっきりですることになった
「身内の介護を付きっきりですることになった」という理由も、おすすめの退職理由です。身内の介護は、現在では社会問題にもなっています。
また介護は終わりがなく、体力的にも精神的にも大変です。そのため「時間に融通がきく」など、介護を優先しやすい環境の職場に転職する人も増えています。
お忙しいところ申し訳ございません。入社したばかりで大変恐縮ですが、退職のご相談をさていただきたくお電話いたしました。実は病院に入院していた祖母が退院になり、家族で相談したところ私が介護をすることになりました。
本来出社してお伝えすべきところをお電話という形になってしまい、本当に申し訳ございません。
なかには病気の症状や、介護の状態などを根掘り葉掘り聞いてくる人もいます。その場合は「家庭の事情ですので、控えさせていただきます」とやんわりお断りしましょう。
入社1日目から3日目に退職することを電話で伝える方法
退職することを電話で伝えたい理由は人それぞれです。しかし正しい方法で伝えなければ、退職を受け入れてもらえない可能性があります。
ここでは、入社1日目から3日目に電話で退職を伝える方法をお伝えします。
- 電話をかける人:直属の上司
- 電話をするタイミング:始業前・休憩中・終業後
- 電話で伝えること:退職の意思表示
伝える方法を間違えて「結局会社に呼び出されてしまった」と言うことがないように、しっかり理解しておきましょう。
電話をかける人:直属の上司
退職を伝えるときは口頭や電話、メールなど、いずれの手段を使っても問題ありませんが、伝える相手は必ず「直接の上司」です。
直接の上司を無視して他の上司や人事部に直接伝えると、管理能力が疑われて上司に迷惑を掛けることになります。
しかし「上司のパワハラひどい」といった上司と話すのが怖い正当な理由があるのなら、人事部に電話して退職を伝えるのもアリです。
また電話をかけると、電話に出た相手が上司ではないことが多いでしょう。だからと言って、電話に出た人に上司への伝言を頼むのは絶対にNGです。
もし上司が外出や出張中であった場合は「かけ直します」と伝えて改めるようにしてください。上司が帰社する日時を確認しておくと、なおいいでしょう。
電話をするタイミング:始業前・休憩中・終業後
退職を伝えるタイミングは、就業前か就業後、休憩中をおすすめします。日中は上司も通常の業務があり忙しいので、退職を伝えようとしても「また後で」とまともに取りあってくれないこともあるので注意しましょう。
- ①始業前・・・就業前はまだ出勤している人が少ないので、他の人に聞かれずに上司とゆっくり話せる。
- ②就業後・・・人が少ない。繁忙期は残業して忙しい人も多いので注意。
- ③休憩中・・・休憩中は上司とゆっくり話せる。しかし上司が社内にいるとは限らないので、プライベートの電話にかける必要がある。
またシフトで勤務日が決められている職場なら、直接の上司が出勤している日に電話することが重要です。
電話で伝えること:退職の意思表示【例文付き】
退職を電話で伝えることで一番大切なのは、「退職の意志表示」です。電話は対面で直接伝える場合と違って、表情が見えません。
退職の意志の伝え方が曖昧だとあなたが「会社を辞めたいのか」「休みを取りたいのか」が伝わらず、退職できないこともあります。
退職を伝える流れは、以下のようになります。
以上を踏まえると、例文は以下のようになります。
お忙しいところ急なご連絡となり申し訳ございません。お伝えしたいことがあり、お電話いたしました。
入社したばかりで大変恐縮ですが、一身上の都合により本日付けで退職させていただきます。
本来出社してお伝えすべきところをお電話という形になってしまい、本当に申し訳ございません。
退職届は郵送にて、後日送付させていただきます。短い間ではございますが、ご指導くださり本当にありがとうございました。
入社1日目から3日目に退職することを電話で伝える際の注意点
入社1日目から3日目に退職することを電話で伝える際には、絶対に気をつけていただきたいことが2つあります。
- 入社1日目から3日目でもバックレだけはNG!
- 退職届は郵送で会社に届ける
転職が不利になったり退職後にトラブルに巻き込まれてしまったりしないために、注意点は必ず守るようにしてください。
入社1日目から3日目でもバックレだけはNG!
入社1日目から3日目だと自分だけに任されている仕事はなく、研修期間の人も多いでしょう。そのため突然会社を辞めても、職場の業務に迷惑を掛けることはほとんどないといえます。
といっても、バックレが許されるわけはありません。なぜならバックレは「無断退職」ではなく、「無断欠勤」だからです。
「無断欠勤」はどこの会社でも懲戒の対象になっており、減給や懲戒解雇になります。もし無断欠勤を続けて退職になると、勤めた日数分の給料が貰えないかもしれません。
また懲戒解雇は、転職活動の面接で退職理由を聞かれたときに正直に申告する必要があります。
懲戒解雇は「会社のルールを守れない問題のある社員」のレッテルを貼られているも同然です。どんな会社でも「問題がある」とわかっている人を、積極的に採用することはないでしょう。
退職届は郵送で会社に届ける
電話で退職を伝えても、退職届は書面で会社に届けなければいけません。しかし退職届を届けるためだけに出社するのは嫌ですよね。
退職を伝えた後、退職届は郵送で会社に届けましょう。しかし悪質な会社の場合は嫌がらせで「退職届など受け取ってない」言われるかもしれないので、注意が必要です。
退職届を送るときには「いつ届いたか」追跡できる方法を取りましょう。
- 一般書留…荷物を出した郵便局、出した時間、荷物が到着した郵便局、着いた時間、どの郵便局を経由したか、を記録してくれる
- 内容証明郵便…いつ、誰が、誰に、どういう内容の、郵便を送ったかを郵便局が証明してくれる
どちらの方法も受け取った時間まで追跡できるので、会社は「受け取っていない」と言うことはできません。
退職代行なら会社と一切やり取りなしで退職できる!
退職したいと考えている人によっては、会社に電話をするのも怖いという人もいるはずです。そのようなときは退職代行の利用を検討してください。
退職代行に依頼すれば、出社したり会社と連絡を取ったりせずに退職することができます。
- 会社に行かずに退職できる
- 上司に会わずに退職できる
- 会社と連絡を取る必要がない
- 即日退職可能
- 引継ぎをしなくてもいい
- 未払残業代や有給消化など退職に関する交渉ができる
- 退職書類を確実に受け取れる
退職代行を利用して会社を辞めるまでの流れ
退職代行を利用して会社を辞めるまでの流れは、とても簡単で5ステップです。
入社1日目から3日目に退職する際によくある質問
最後に入社1日目から3日目に退職する際に、退職代行によく寄せられている質問についてお答えしたいと思います。
【入社1日目から3日目】退職の連絡は電話でいい?まとめ
入社1日目から3日目の退職の連絡は、法律上は電話で問題ありません。ただし電話で伝えた場合、円満退職ができないことは覚悟しておきましょう。
たとえ円満退職ができなくても、退職後の生活に支障はありません。むしろ注意すべきなのはバックレです。バックレをしてしまうと、懲戒解雇されて転職が不利になるかもしれません。
電話で退職を伝えられないほど会社や上司が怖いときは、退職の手続きを退職代行に丸投げしてしまいましょう。